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国土交通白書 2022

第2節 再生可能エネルギー等への転換に向けた取組み

■1 再生可能エネルギーの動向

(再生可能エネルギーの供給動向)

 再生可能エネルギーは、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスといった非化石エネルギー源によるエネルギーである。我が国のエネルギー供給のうち、再生可能エネルギーは全体の約2割であり注46、石油や石炭などの化石燃料の多くを輸入している。また、諸外国の再生可能エネルギーの供給については、中国や米国などで発電電力量が近年急速に伸びている。今後、脱炭素化とともにエネルギー自給率の観点からも、再生可能エネルギーの供給拡大に取り組むことが重要である。

図表Ⅰ-2-2-1 国別再生可能エネルギーの発電量推移
図表Ⅰ-2-2-1 国別再生可能エネルギーの発電量推移

(注)再生可能エネルギー:水力、風力、太陽光、地熱、バイオマス等
資料)IRENA「Renewable Electricity Capacity and Generation Statistics」より国土交通省作成

(再生可能エネルギーの利用意向)

 再生可能エネルギーの供給とともに、その利用拡大を図ることも重要である。世界的にRE100注47の参加企業数は増加傾向にあるとともに、日本企業は全体の約2割を占めており、再生可能エネルギーの利用意向が高まっていることがうかがえる。

図表Ⅰ-2-2-2 RE100参加企業数の推移
図表Ⅰ-2-2-2 RE100参加企業数の推移

資料)2022年5月末時点におけるRE100ウェブサイト情報をもとに国土交通省作成

(再生可能エネルギーの発電コスト)

 再生可能エネルギーの供給・利用拡大に当たっては、技術のイノベーションによりそのコスト低減を図ることも重要である。IRENA(国際再生可能エネルギー機関)によれば、世界的に再生可能エネルギーの発電コストは低減傾向にあり、ここ10年でその多くが化石燃料による発電コストの範囲まで低下していることがうかがえる。

図表Ⅰ-2-2-3 再生可能エネルギーの発電コストの変化(2010年、2019年)
図表Ⅰ-2-2-3 再生可能エネルギーの発電コストの変化(2010年、2019年)

資料)IRENA「RENEWABLE POWER GENERATION COSTS IN 2019」より国土交通省作成

(再生可能エネルギーの主力電源化に向けて)

 政府では、第6次エネルギー基本計画において、2030年の再生可能エネルギー比率の目標を22~24%から36~38%へ引上げるとともに、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、再生可能エネルギー最優先の原則で取り組み、最大限の導入を促すこととしている。

 以下、「2.インフラを活用した再生可能エネルギーの利活用拡大」では、港湾機能の高度化等による洋上風力発電の導入促進に加え、空港、道路、鉄道、官庁施設、公園等のあらゆるインフラ空間等における太陽光発電等の導入促進など、再生可能エネルギーの最大限の導入に向けた取組みについてみていく。

  1. 注46 2020年の我が国全発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率は19.8%、その内訳は水力7.8%(大規模水力含む)、バイオマス2.9%、地熱0.3%、風力0.9%、太陽光7.9%となっている。2011年の再生可能エネルギーでの発電量は全体の10.4%であり増加を続けている。
    引用:総合エネルギー統計2020(確報値)
  2. 注47 企業が自らの事業活動における使用電力を100%再生可能エネルギー電力で賄うことを目指す国際的なイニシアティブ。