
国土交通白書 2022
第3節 脱炭素型ライフスタイルへの転換に向けた取組み
国民意識調査によれば、脱炭素型ライフスタイルを取り入れるために、必要なサポートの内容については、「価格が安いこと」に次いで、「生活の不便さを伴わないこと」や、「二酸化炭素削減以外の付加価値があること(快適、健康、安全・安心など)」であることがわかる。脱炭素型ライフスタイルの取込みに向けては、費用負担感を伴わないことに加え、生活の利便性維持等、二酸化炭素排出量削減以外の付加価値が求められており、脱炭素化に向けた地域づくりに当たっては、快適さや健康などの生活の質に関する付加価値の創出が重要であることがうかがえる。

注)n=1,229人の複数回答
資料)国土交通省 「国民意識調査」
また、脱炭素に向けた社会の仕組みについて重要なものをたずねたところ、「脱炭素型の公共設備やインフラ整備」と答えた人が多く、これらの取組みが求められていることがうかがえる。

注)n=1,229人の複数回答
資料)国土交通省 「国民意識調査」
(移動のカーボンフットプリント)
移動のカーボンフットプリントを人口規模別にみると、人口規模の小さい都市では、自動車の占める割合とともに移動のカーボンフットプリントが大きい傾向にあり、移動に自家用車を利用する機会が多いことが要因であることがうかがえる。
移動のカーボンフットプリント削減に向けては、例えば次世代自動車の普及を支える環境整備などを含めて、脱炭素型の移動を支える環境の整備が必要である。

(注)バブルサイズ:人口
資料)国立研究開発法人国立環境研究所「脱炭素型ライフスタイルの選択肢」データベースより国土交通省作成
(世帯当たり二酸化炭素排出量)
世帯当たりの二酸化炭素排出量は、北日本から中国地方にかけての日本海側を中心に多くなっている。
世帯当たりの二酸化炭素排出量を減少するためには、エコ住宅への住み替えや断熱改修など、住宅分野での脱炭素型ライフスタイルの取込みが効果的であると考えられる。高断熱高気密の住宅は、二酸化炭素排出削減に寄与するのみならず、快適さや健康面のメリットもある注60ことから、戸建住宅購入者向けに住宅の省エネルギー性能のメリットに関する情報提供を講ずることが効果的である。また、新築戸建のみならず、賃貸住宅についても省エネルギー性能を表示する取組みの促進が重要である。

資料)環境省「部門別CO2排出量の現況推計(2018年度)」、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(2018年度)」
より国土交通省作成
- 注60 国土交通省では様々な広報媒体を用いて戸建購入予定者向けにエコ住宅の理解増進を図っている。
【関連リンク】
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出典:国土交通省
URL:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/setsumeigimumanga.pdf