
国土交通白書 2023
第1節 直面する課題とデジタル化の役割
コラム注10 3Dプリンタを活用したグランピング施設の建築(3Dプリンタ、太陽の森ディマシオ美術館)
太陽の森ディマシオ美術館を運営する(株)ミタカは、廃校を活用した太陽の森ディマシオ美術館の来館者数を増加させるため、2022年10月に美術館の敷地内にグランピング施設「DI-MACCIO GLAMPING VILLAGE」をオープンした。
このグランピング施設は、フランス人幻想画家ジェラール・ディマシオの絵画を展示する美術館のテーマである「アートと自然と宇宙との共生」を表現する施設とするため、3Dプリンタで凹凸のある壁、卵形の建物の壁、曲線で描かれた塀など、ディマシオ美術館の世界感をコアコンセプトとした空間となっている。
グランピング施設などの商業用宿泊施設を3Dプリンタを活用し鉄筋コンクリート造として建設したことは、国内で初の取組みであり、オープン後4か月間の宿泊者数は200名以上で宿泊者からも高い評価を得ている。
3Dプリンタによる施工の魅力は、スピード施工による省人化・工期短縮であることと、3Dプリンタだからこそ実現可能な特殊な形状やテクスチャーを生み出し新しい建築の価値を創造できることである。
今後、こうした3Dプリンタを活用したデザイン性の高い空間を利用者に提供する取組みが、体験価値の向上につながることが期待される。
<3Dプリンタによるグランピング施設>

資料)太陽の森ディマシオ美術館、DI-MACCIO GLAMPING VILLAGE
- 注10 本白書掲載のコラムは、2022年度に国土交通省が実施した調査・取材によるものである。