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国土交通白書 2023

第2節 デジタル実装の現在地と今後への期待

コラム AIを活用した防災・減災対策の高度化
(AIやドローン等の先端技術を活用した防災情報システム、大分県)

 近年、自然災害が頻発化・激甚化しており、災害発生時における初動対応に被害拡大の抑制のための即応性等が求められる中、被災状況など情報収集の重要性が増しており、AIなどの先端技術の活用が重要である。

 例えば、大分県では、AIによる防災危機管理情報サービス(Spectee Pro)と県のシステムを連携している。同サービスを導入することで、複数のSNS情報から、AIを活用して「デマ情報」を排除し、正確な被害状況を自動的に地図上に可視化することができるようになり、浸水範囲の把握など初動対応に必要な情報収集が可能となった。「令和2年7月豪雨」時には、同サービスを被害状況の情報収集に際し活用し、土砂災害等による孤立からの救助や安否確認などを求める投稿を収集・リプライして被害状況の確認や適切な連絡先を伝えるなど、救助に活用することができた。

 また、大分大学等が開発している災害情報共有活用プラットフォーム「EDiSON(エジソン)」と県のシステムを連携することにより、ドローンで撮影した災害現場の状況を確認できるようにしており、SNSに投稿された画像や動画付きの情報に加え、上空からの情報を組み合わせることにより、現場に出向かずともスピード感をもって状況判断を行うとともに、通常、人が入れないエリアの被災状況を把握し対応することも可能となった。

 大分県では、今後も先端技術を取り入れながら、防災対策に取り組んでいくこととしている。

<Spectee Proの画面>
<Spectee Proの画面>
<大分県での活用状況>
<大分県での活用状況>

資料)大分県、(株)Spectee