国土交通省ロゴ

国土交通白書 2023

第2節 デジタル実装の現在地と今後への期待

コラム 砂防工事におけるICT施工(ICT施工、国土交通省・㈱鴻治組)

 「平成30年7月豪雨」で、広島県安芸郡坂町の総頭川上流域から138,000m3注1の土砂が市街地に流入して国道31号、JR呉線が通行止めになり、人家被害839件注2の甚大な被害が発生したため、再度災害防止に向けて砂防堰提の整備を推進している。

 国土交通省は、総頭川砂防堰堤工事について、受注者である(株)鴻治組は、ドローンや3次元モデル、ICT建設機械などを活用し効率的に工事を進捗している。

 具体的には、レーザースキャナやドローンを活用して3次元の地形データを取得し、3次元モデルを活用するなどにより、受発注者間、作業者間で完成のイメージを共有することができるといった現場の見える化に取り組んでいる。現実世界と3次元モデルを重ね合わせるAR技術等を用いることで、現場での完成イメージや問題点の共有が可能になる。また、ICT建設機械を用いることで、熟練者でなくても効率的な施工を行うことができ、工期短縮が可能になる。

 今後とも国土交通省では、直轄工事等における最新のデジタル技術の導入により、建設現場の生産性向上を目指していく。

<3次元データの重ね合わせ>
<3次元データの重ね合わせ>

総頭川砂防設備完成イメージ

<AR技術活用状況>
現場でタブレットにて確認している状況

現場でタブレットにて確認している状況

タブレットで見ている画面

タブレットで見ている画面

資料)国土交通省

  1. 注1 流入した土砂については災害前後の航空レーザ測量より推定。
  2. 注2 坂町り災証明交付件数(坂地区被害2021年3月31日現在)