
国土交通白書 2023
第1節 国土交通省のデジタル化施策の方向性
コラム 交通系ICカードとマイナンバーの連携による地域住民サービスの提供等
(「MaeMaaS」、群馬県前橋市)
前橋市は、人口減少社会において市域の一様な投資を続けるのではなく、居住地や都市機能を誘導する地域拠点を設け、都市をコンパクト化し、公共交通でネットワーク化するまちづくりに取り組んできた。このような中、官民が連携したまちづくりの一環として、デジタル基盤整備をベースにした交通サービス「MaeMaaS(前橋版MaaS)」等を推進している。
「MaeMaaS」は、地域公共交通の維持、自家用車から「誰もが安心して利用できる公共交通」への転換の促進などを目的として、2020年12月から実証実験を開始、2022年11月から社会実装している。本取組みは、地域住民のみならず、市外からの来訪者にとっても使いやすい公共交通サービスとしての整備を推進するとともに、運賃施策として、国内初となる交通系ICカードとマイナンバーカード(以下、MNC)の連携・認証による一部公共交通の住民割引等を提供している。
利用方法は、「MaeMaaS」アプリ上で交通系ICカードとMNCを登録・紐づけして、利用するデマンド交通の車内でMNCと紐づいた交通系ICカードを使用すると住民割引が適用される。デマンド交通の予約はアプリ上からの予約のほか、電話での予約も可能となっている。また、誰に対しても対面で登録手続等の支援ができるように市役所内に登録サポート窓口を設置している。
加えて、交通分野で独占禁止法特例法に基づく国土交通大臣の認可を受けたバス事業者6社による共同経営を実現させ、各事業者、前橋市でダイヤを調整して、前橋駅から県庁前の区間を「本町ライン」として、2022年4月1日から5分から15分間隔での等間隔運行を開始し、さらなる住民サービスの向上を図っている。
今後は、群馬県と連携を強化して2023年3月15日から「MaeMaaS(前橋版MaaS)」から群馬版MaaS「GunMaaS」として広域化・高度化の実現に向けた取組みを推進していくこととしている。

資料)前橋市