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国土交通白書 2023

第2節 新しい暮らしと社会の姿

コラム 車内空間の高度化を通じた移動時間の高付加価値化
(自動運転、ソニー・ホンダモビリティ㈱)

 自動運転技術の進展により、過疎地域における移動手段の確保やドライバー不足への対応等の課題解決が見込まれているが、その先には、将来の暮らしにおける新しい価値創出につながっていくことも考えられる。

 例えば、車内空間の高度化により、移動時間の価値を変えていく可能性のある自動車が生まれつつある。

 ソニー・ホンダモビリティ(株)は、2023年1月、同社の新ブランド「アフィーラ(AFEELA)」を発表した。5G移動通信システムの搭載や、特定の条件下で運転操作が不要になる「レベル3」の自動運転機能の搭載を目指す電気自動車の試作車を初披露した。

 この試作車は、車内外のセンサから交通状況や周辺の情報を収集・解析、安心・安全な運転に寄与するだけでなく、臨場感のある映画や音楽、ゲームなど様々なエンターテイメントや人に寄り添うサービスの提供を通じ、移動空間を感動空間に変える、モビリティの新しい体験価値の提案をめざしている。

 自動運転技術等の開発が進めば、自動車は、単なる目的地への移動のためのものから、移動時間の価値を向上させるものへと変わっていくことが期待される。

ソニー・ホンダモビリティの電気自動車「AFEELA(アフィーラ)」

ソニー・ホンダモビリティの電気自動車「AFEELA(アフィーラ)」

体験を主役にした、無駄のない車内空間

体験を主役にした、無駄のない車内空間

資料)ソニー・ホンダモビリティ(株)