
国土交通白書 2023
第2節 新しい暮らしと社会の姿
コラム AR・VR活用によるサイバー・フィジカル横断コミュニケーションの取組み
(PLATEAU、国土交通省)
コロナ禍を契機として、事業者によるサービス提供のリモート化、非接触決済の導入等に向けた動きが進んでいる。
例えば、次世代のコミュニケーションツールの実装に向け、国土交通省は、官民連携により、3D都市モデル(PLATEAU)と「GIBSON注1」の活用により、現地にいるARユーザーと遠隔地のVRユーザーとがあたかも同じ空間に居るかのようなコミュニケーションプラットフォームを構築し、新たなサイバー・フィジカル横断のコミュニケーション価値の創造に関する検証を2021年度に渋谷区を実施地として実施した。
具体的には、渋谷区内の現地ARユーザーと遠隔地より参加したVRユーザーとが、物理的距離を超え、同じ街歩き体験を共有した。通常の街歩きでは立ち止まらない場所でコンテンツを介したコミュニケーションを取ることで街への新たな発見が促され、街に感じる魅力が高まったとともに、他の街歩き体験者との親密感が高まったなどの結果が得られた。
今後、このような検証結果を取り込み新たなサービスモデルに発展させることで、人と人とをつなぎ直す仕組みを構築し、街歩き体験に加え、観光やイベント、コマースといった産業への活用も期待される。

資料)国土交通省
- 注1 (株)MESON、(株)博報堂DYホールディングスの共同プロジェクト。「GIBSON」では、現実世界の3Dコピーであるデジタルツインを用いてサイバー空間を構築し、そこに現実世界を重ね合わせることで、遠隔地のVRユーザーと現実世界のARユーザーとがあたかも同じ空間で場を共有しているような体験が可能になる。