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国土交通白書 2023

第2節 新しい暮らしと社会の姿

■2 新しい暮らしと社会の姿

 我が国の社会課題の解決に資するデジタル化が加速した新しい暮らしと社会の姿について、一人ひとりのニーズにあったサービスが受けられ、人に優しいデジタル化が図られるとともに、私たちの暮らしや社会がより豊かになる側面に焦点を当てて展望する。

(1)新しいライフスタイル

 デジタル活用により、働き方や余暇の過ごし方、デジタル化との付き合い方など、暮らしの様々な側面でこれまでにない新しいライフスタイルの選択肢が提供されている。

(働き方)

 AI・IoTやロボットなどの活用により、仕事や家事の効率化が進み、長時間労働などが抑制され、担い手不足も解消されている。また、遠隔化・自動化などにより働く時間や場所の自由度が高まることで、一人ひとりが自分のライフスタイルに合わせて生き生きと働けるようになっている。

(余暇の過ごし方)

 デジタル化により、自宅でも旅先など遠隔地の経験をリアルに体験できるようになるとともに、現実空間での余暇時間も新たな体験が可能となり、余暇の過ごし方がより魅力的なものへと変化している。

(空間の使い方)

 デジタル化により時間的・空間的制約から解放されることで、より柔軟に空間を使えるようになっている。

(2)インフラメンテナンスや物流の新たな姿、デジタルツイン

 デジタル化により、インフラメンテナンスや物流が変化し、産業のあり方が変わるとともに、デジタルツインや3Dモデルなどの活用により、新しいサービスや体験等が可能となり、これまでにない革新的な取組みが展開され、Well-beingが向上している。

(進化するインフラメンテナンスや物流のあり方)

 AI・IoT、ドローンやロボット等の活用により、インフラやモノの効率的な維持・管理が可能となっている。AI等を活用することで修繕を行うタイミングが適切に判断されるようになり、インフラも良好な状態が維持され、安全・安心な国土となるとともに、配送計画や物流業務などの自動化等により、サプライチェーン全体が最適化され競争力が高まっている。

(デジタルツインによる防災まちづくり)

 デジタルツインの普及により、仮想空間・現実空間を相互に行き来する機会が増え、防災やまちづくりなど幅広い分野での活用により、多様な主体によるオープンイノベーションが展開されている。また、メタバースをはじめとする仮想空間に関する技術の進展により、好きな場所で自由に使える時間がより増えているとともに、様々な場所や相手と関わり合うことができるようになっている。