
国土交通白書 2023
第3節 技術研究開発の推進
国土交通省では、事業・施策の効果・効率をより一層向上させ、国土交通に係る技術が広く社会に貢献することを目的として、「国土交通省技術基本計画」で技術政策の基本方針を示し、技術研究開発の取組みを推進している。今般、「科学技術・イノベーション基本計画」(令和3年3月閣議決定)等の政府全体の方針に基づき、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会での議論を踏まえ、「第5期国土交通省技術基本計画」(期間:令和4~8年度)を策定した。
第5期では、技術研究開発等を通じて実現を目指す将来の社会イメージを新たに作成した。
(1) 施設等機関、特別の機関、外局、国立研究開発法人等における取組み
施設等機関、特別の機関、外局や国土交通省所管の国立研究開発法人等における主な取組みはリンク先のとおりである。国立研究開発法人においては、我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的とし、社会・行政ニーズに対応した研究を重点的・効率的に行っている。
(2)地方整備局における取組み
技術事務所及び港湾空港技術調査事務所においては、管内の関係事務所等と連携し、建設工事用材料及び水質等の試験・調査、施設の効果的・効率的な整備や維持管理に関する調査・検討等、地域の課題に対応した技術開発や新技術の活用・普及等を実施している。
(3) 建設・交通運輸分野における技術研究開発の推進
建設技術に関する重要な研究課題のうち、特に緊急性が高く、対象分野の広い課題を取り上げ、行政部局が計画推進の主体となり、産学官の連携により、総合的・組織的に研究を実施する「総合技術開発プロジェクト」において、令和4年度は、「建築物と地盤に係る構造規定の合理化による都市の再生と強靱化に資する技術開発」等、計4課題について、研究開発に取り組んだ。
また、交通運輸分野においても、安全環境、人材確保難等の交通運輸分野が抱える政策課題解決に資する技術研究開発を、産学官の連携により推進しており、令和4年度は、「SBASの他の交通モードでの利活用に向けた調査研究業務」に取り組んだ。
(4)民間企業の技術研究開発の支援
民間企業等の研究開発投資を促進するため、試験研究費に対する税額控除制度を設けている。
(5)公募型研究開発の推進
建設分野の技術革新を推進していくため、国土交通省の所掌する建設技術の高度化及び国際競争力の強化、国土交通省が実施する研究開発の一層の推進等に資する技術研究開発に関する提案を公募する「建設技術研究開発助成制度」では、政策課題解決型技術開発公募(2~3年後の実用化を目標)の公募を行い、令和4年度は新規6課題、継続11課題を採択した。また、スタートアップの技術開発支援を目的に『スタートアップタイプ』を新設した。
また、交通運輸分野については、安全安心で快適な交通社会の実現や環境負荷軽減等に資するイノベーティブな技術を発掘から社会実装まで支援する「交通運輸技術開発推進制度」において、新規8課題、継続5課題を実施した。また、令和4年度第2次補正予算を活用し、本制度の充実化を図った。さらに、同制度の成果の普及・促進等を図るため、「交通運輸技術フォーラム」を5年3月に開催した。
【関連リンク】
海上・港湾・航空技術研究所(船舶に係る技術及びこれを活用した海洋の利用等に係る技術に関する研究開発)