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国土交通白書 2024

第2節 未来につながる変革と持続可能で豊かな社会を目指して

コラム 男性の育児休業取得に向けた支援(大成建設(株))

 建設業は、ほかの産業と比べて、男性の育児休業取得率が低いとされている。原因の一つに、建設業界は担い手不足ということもあり、資格があっても育児休業を取得しづらい労働環境になっていることが挙げられる。しかし、建設業界の人材の確保や働き方改革を進めていくためには、男性の育児休業取得率の向上は、解決すべき課題の一つである。

 総合建設業を営む大成建設(株)は、育児支援に関するセミナーの開催や柔軟な働き方の促進等により、2023年度時点で5年連続育児休業取得率100%を達成している。また、2021年度の男性の育児休業平均取得日数は、17.3日(対象者259名)を記録するなど、年々育児休業取得日数も増加している。

 特徴的な取組みとして「パートナーと考える両立支援セミナー」では、仕事と生活の両立のためには、配偶者の理解と協力が不可欠であるとの意識の下、家庭での家事分担やワーク・ライフ・バランスのあり方を考える機会が設けられており、家庭での協力体制づくりを支援することを目的としている。

 そのほかにも、同社では、男性への育児支援として「父親セミナー」を実施している。「父親セミナー」では、子育てにおける父性の重要性を学ぶことを目的として、子育てに悩む父親同士の意見交換を行っている。また、新たに子供が生まれる男性社員には「パパの育児と仕事 両立サポートBOOK」を配付しており、育児休業取得に向けた準備、同社の制度、育児休業中の過ごし方等を提案している。さらに、生後8週間以内に最大28日まで有給化が可能な「出生時育児休業」や、より柔軟な働き方が可能になり継続的な男性の育児支援につながる「両立支援フレックスタイム制度」等の支援を充実させている。

 このように、同社では、社員の働く環境を整備することにより、人材確保や継続就業につなげようと努めており、このような取組みが建設業界全体に浸透することで、魅力が高まり、人材の確保につながると期待されている。

<父親セミナー>
<父親セミナー>
<パパの育児と仕事 両立サポートBOOK>
<パパの育児と仕事 両立サポートBOOK>

資料)大成建設(株)