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国土交通白書 2024

第2節 望ましい将来への展望

■2 持続可能で豊かな社会が実現する将来の展望

 ここでは、1.における国民意識調査により得られた国民の願う今後の社会像を基に、我が国の未来予想について、3つの分野(国土・インフラ整備、交通、暮らし)ごとに記述する。

(1)国土・インフラ整備

(進化するインフラメンテナンス~新技術を組み合わせた効率的なインフラ点検)

 人手不足の中、AI・ロボット、ドローン等を活用することにより、道路・橋梁等のインフラやモノをより安全に、効率よく、維持・管理することが可能になっている。

(進化する建設生産・管理システム)

 BIM/CIMにより、調査・測量から維持・管理までの、建設生産・管理システムの全体における一連の業務が一元管理され、3次元データの活用・共有が容易になっている。

(進化する物流システム)

 AI・ロボット、ドローン等による自動化等により、在庫管理から梱包、車両への積込み、荷物の仕分け、配送ルートが最適化され、かつ各作業が無人化されており、次世代モビリティが効率的な運搬を行っている。

(新しいインフラのかたち)

 既存のインフラ技術での維持管理が難しい地域に、代替技術を導入することにより、持続可能な地域が実現できている。

(新しい防災のかたち:AI・デジタルによる災害予測・調査)

 気象の観測を目的に、様々な機器が設置・運用されている。観測データの処理能力の向上を含む観測技術の進歩と気象予測技術の向上により、災害をもたらすような気象現象の、精度の高い予測が可能となっている。

(2)交通

(進化する自動運転)

 自動車運転免許や自家用車(マイカー)を持たなくても、気軽にまちなかや遠距離を移動できるようになる。

(ドローン)

 無人航空機(以下、ドローン)による配送サービスの事業化が進み、人が居住するエリア(有人地帯)での目視外飛行(いわゆる「レベル4飛行」)が可能となるルートの構築数が拡大している。

(住民の移動ニーズをスムーズに満たす輸送ルートの実現)

 高度な自動運転技術が確立され、交通拠点間の移動に当たり、需要に応じた公共交通の輸送ルートが網の目に結ばれるようになっている。

(子ども・子育てにやさしいバス送迎)

 子どもを近所の保育園又は幼稚園へ送迎できるオンデマンドバスや自動運転車両による送迎が当たり前になっている。

(3)暮らし

(ロボットによる住宅建築)

 プレキャスト工法やプレカット等、事前に工場でロボットによる建築資材の準備が行われてきたが、将来において、事前に準備された設計図を基に、建築現場において住宅用3Dプリンタを用いて短期間かつより安価な建設方法が普及している。

(多様な働き方を通じた誰もが活躍できる社会)

 様々な事情から、通勤してフルタイムの業務を実施できない状況でも、自宅でのテレワークやフレックスタイム等多様な働き方が推奨され、社会に広く浸透している。

(インバウンド振興と観光地域づくり)

 域外からの観光客等を受け入れるための観光地域づくりを行うことで、地域の活性化につながっている。