
国土交通白書 2024
第2節 望ましい将来への展望
コラム 物流のインターネット
これまでも、物流基地に荷物を集約し、貨物鉄道や特積トラック等を利用することによって、幹線輸送が実施されているが、荷物の出し手と荷物の受け手を直接結ぶ輸送形態も多い。ここに、AI・ロボット・自動運転の技術が加わることで、物流が様変わりするかもしれない。
倉庫では、荷物をピッキングし、梱包まで実施するロボットはすでに存在するが、今後は、そこに、荷物の量によってAIが配備した、自動運転トラックが整然と並び、貨物を積み込み、結節点となる物流基地に運ぶようになる。また、自動化された倉庫を持たなくとも、リクエストを出せば、自動的に荷物を回収してくれるようになるだろう。
結節点は、インターネット世界のルーターと同様に、目的地までの経路を割り出し、できるだけ効率よく輸送できるよう、輸送モードを組み合わせ、荷物を送り出すようになる。高速道路では、貨物輸送専用レーンを高速に走行し、渋滞に巻き込まれずに運ばれ、目的地近くの結節点につけば、ラストワンマイルを担う自動運転車両が、各配送先を巡るようになり、効率化された輸送によって、より便利でエコな輸送が実現することが期待される。