
国土交通白書 2024
第2節 望ましい将来への展望
コラム 新しい防災のかたち
気候変動により豪雨や土砂災害が頻発する中、台風や線状降水帯のような、災害の要因となり得る気象の予測精度向上に取り組んでいるところ、将来的な気象予測の高度化により、より早い段階から、対象地域を狭めた気象情報の発表が可能となる。また、発災時の人流や避難経路のシミュレーションの精度が高まり、被災状況をより精度高く予測できる。
衛星画像やAI等の活用をすることで、広範囲で高精度に土砂災害発生リスクの高い箇所の抽出が可能となり、土砂災害の予兆の観測が可能となることが期待される。
地すべりが発生する地域及び時期を予想するシステムが整備されるようになり、万が一、地すべりが発生した場合であっても、道路への土砂流出による道路寸断を防げることで、災害に強い道路の整備が実現する。
大雨による河川氾濫が発生した場合であっても、洪水を防ぐための堤防の更なる強化や、未然に浸水エリアや洪水到達時間を予想するシステムが整備されることが期待される。
発災後においても、被災状況の迅速な観測により、被災状況の見える化が進むことにより、迅速な復旧策の計画・実施、更なる減災に向けた公共インフラの整備、交通機関の運行制御、企業等のBCP策定の促進等の対策を進めることが可能となる。