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国土交通白書 2024

第2節 望ましい将来への展望

コラム デジタルツイン実現プロジェクト(東京都)

 東京都では、様々な都市課題の解決に向けて、デジタルツインの推進による社会基盤の構築に取り組んでいる。デジタルツインの実現により、フィジカル空間(現実空間)における都市の状況が、サイバー空間上でリアルタイムに把握可能となり、災害やインフラ、まちづくり等の課題に対して、最新データを利用した分析・シミュレーションの実施が期待されている。

 取組みの一つとして、東京都は、令和6年能登半島地震において、石川県や国土地理院から提供された発災前の点群データ等に、発災後の斜面崩落・堆積分布データを重ねて表示することにより、災害状況を広域・即時に把握できる場として「デジタルツイン3Dビューア」上でデータを公開している。今後、発災後の点群データが提供されることにより、災害前データと3次元で重ね合わせることで、更に正確な災害状況の把握が可能になり、復旧・復興活動に活用されることが期待されている。

 また、東京都は、デジタルツインを活用した水害シミュレーションにも取り組んでおり、浸水や土砂災害の被害の様相をシミュレートし、訓練で活用することで、行政機関のより効果的な災害対応オペレーションにつなげることを目指すとしている。

デジタルツイン概念図

デジタルツイン概念図

発災前の高精細な地形を点群データで表示

発災前の高精細な地形を点群データで表示

発災後の斜面崩落・堆積分布を表示

発災後の斜面崩落・堆積分布を表示

資料)東京都

  1. 注  インターネットに接続した機器等を活用して現実空間の情報を取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現したもの。