国土交通省ロゴ

国土交通白書 2025

第2節 サービスの供給制約に対する国民意識

コラム 鉄道における自動運転(GOA4)及び遠隔操作(ドイツ)

 ドイツでは、脱炭素社会の実現に向けて、CO2排出量が少ない鉄道での移動ニーズが高まりつつある一方で、運転士の高齢化が進んでおり、大量退職による運転士不足の深刻化が懸念されている。このような中、鉄道車両やメンテナンス事業等、鉄道関連の総合的な事業を行うアルストム社では、地方路線や貨物路線において、運転士の乗車が不要となる自動運転技術の開発を進めている。

 同社が目指す自動運転レベルはGOA4(無人運転)に分類され、2024年9月、同社の試験線で実施した実証運行では、運転士が運転操作に介入することなく自動運転を成功させた。自動運転車両は、線路上の障害物を検知するカメラや、信号を判断する画像認識システムを搭載し、周囲の状況を把握しながら走行することができる。

 また、自動運転車両には、駅間で自動運転のシステム障害が発生した場合に備え、タブレットから車両を遠隔操作できる技術が備わっている。タブレットには、車両前方にあるカメラの映像がリアルタイムで表示され、オペレーターは、タブレットを見ながら実際に乗務する運転士と同じように前方を確認し、次の駅まで車両の加速・減速をタブレットから操作することができる。タブレットは持ち運びできるため、車両から離れた車両基地や遠隔監視室にいながら車両を遠隔操作することができる。

 同社は、自動運転の社会実装を進めており、自動運転技術が、深刻化する運転士不足を解決するだけでなく、24時間体制での運行サービスを可能とすることで、鉄道車両の稼働率向上に寄与すると考えている。

<自動運転車両(GOA4)>
自動運転車両(GOA4)
<オペレーターによるタブレットを用いた遠隔操作>
オペレーターによるタブレットを用いた遠隔操作

資料)アルストム社