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国土交通白書 2025

第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽

コラム グランドハンドリング業務の資格相互承認(全日本空輸(株)・日本航空(株))

 日本の航空業界をリードする全日本空輸(株)(以下、「ANA」)と日本航空(株)(以下、「JAL」)において、人口減少や高齢化の影響により、将来的なグランドハンドリング業務の担い手不足が課題となっている。

 グランドハンドリング業務に従事する職員は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、一時、感染拡大前の8割程度まで減少し、人材の確保・育成、及び業務効率化を推進する必要に迫られた。

 このような中、2024年4月からANA・JALの両社は、持続可能なサービス提供を目的とし、両社の委託先事業者が同一である国内10空港を対象に、ランプハンドリング注1の作業資格を相互に承認する仕組みの運用を開始した。

 ランプハンドリングにおける作業資格は、従来、航空会社ごとに定められており、同種の作業であっても個社ごとに資格を取得するための訓練を行う必要があった。そこで、委託先事業者のランプハンドリングスタッフが、両社のどちらかの資格を取得した後に、他方の資格を取得する場合には、異なる部分の知識確認及び座学での教育のみで資格を付与することを可能とした。これにより、ランプハンドリングスタッフの資格取得に要する訓練期間が削減され、ANA・JAL両社の作業に従事できる資格者の早期養成を図ることができるようになった。例えば、ANA・JALの作業資格を取得するのにそれぞれ1年かかる場合、従来であれば合わせて2年かかるところ、当運用により1年で両社の資格を取得することができることとした。

 両社は今後とも持続的に航空路線の維持に向け、将来の担い手不足へ備える取組を加速させることとしており、新たに旅客部門においても協業の取組をスタートさせている。

<系列ごとに異なる資格の見直し例>
系列ごとに異なる資格の見直し例

資料)日本航空(株)

  1. 注1 グランドハンドリングにおける航空機の地上移動や、貨物・手荷物を搭降載・搬送する業務等。