国土交通白書 2025
第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽
コラム 沖縄県の物流倉庫の効率化(琉球海運(株))
沖縄県は、生活物資の多くを海上輸送に依存しており、沖縄県民の生活及び経済活動にとって、安定的かつ安全な物流の確保が重要となる。
その物流の一翼を担う琉球海運(株)は、海上運送業のほか、県内数か所に大型倉庫を構え、同県の経済を支えている。海上輸送は、天候の影響を受けやすく、貨物船の遅れが生じ、荷物が集中することもあり、倉庫作業の効率化が長年の課題であった。そこへ今回、物流の「2024年問題」への対応も加わった。
そのような中、同社では、県内最大規模の物流拠点「琉球ロジスティクスセンター」を2023年5月から稼働させ、倉庫作業の効率化を進めている。
ここで取扱う商品は50,000品目にも及び、その多くはばら積みで運ばれてくる。1日約29,000ケースの仕分けを行っているが、荷物を配送先別に自動仕分けする機械(ソーター)を導入することで、倉庫作業の正確性や生産性が飛躍的に向上した。
また、トラックからの荷卸し作業は、これまで複数の作業員の手による作業が中心だったが、ソーターからトラックのコンテナ内部まで伸縮自在のベルトコンベアによって、作業負担の軽減が図られている。
長時間の荷待ち対策としては、あらかじめ荷役時間を決めておくことで、運送会社側での到着時間を見越した運行計画の策定、倉庫側による作業準備が可能となり、荷待ち時間の削減につながっている。また、トラック到着台数が平準化されることで、効率的な作業員の配置が可能となった。
これらの取組により、荷物の仕分け能力は2倍程度向上し、トラック1台当たり平均の荷待ち時間も70分から20分と、3分の1以下に短縮した。
担い手不足が深刻となる中、持続可能な物流の実現のためには、このような倉庫作業の自動化・機械化による生産性向上だけでなく、運送会社との連携による物流の効率化も期待される。
資料)琉球海運(株)