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国土交通白書 2025

第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽

コラム 全国初、「自動運転レベル4 路線バスの営業運行」(伊予鉄バス(株))

 バス運転手が不足する中で、地域公共交通の維持に向け、運転手の乗車を必要としない自動運転バスの開発・導入が進められている。

 愛媛県松山市に本社を置く伊予鉄バス(株)は、主に松山市内でバス運行を行っており、地域公共交通を支えている。同社は、2024年12月から全国で初めて「自動運転レベル4路線バス運行」を開始した。

 全国的にバス運転手が不足している状況で、同社においても安定してバス運行を続けていくために必要な人員よりも10%程度足りていなかった。また、今後も担い手不足は続いていくと予想され、地域の交通、ひいては地域経済の維持のためには、運転手を必要としない自動運転バスの導入に必要性を感じていた。このような中で、同社は、自動運転に関する事業を展開する企業と協業し、自動運転車両を活用した路線バスの運行計画を進めていた。

 営業運行を開始したこの路線バスは、伊予鉄道高浜駅から松山観光港間を1日に66便運行しており、約800mをおよそ2分(最高時速35km)で走行している。使用されている自動運転車両は、最大12名乗車可能なEV車両であり、誰でも通常の路線バスと同じ料金で利用が可能である。車体の外装には、多くのカメラとLiDAR等のセンサが備えられており、車両周囲の人や動物、障害物を的確に認知することで安全走行を実現している。また、走行中であっても、常に対向車両や歩行者等の動きを分析しており、7秒後に車両に衝突するかを判断基準の1つとして、衝突回避のための減速、あるいは停止ができる設計になっている。現在は、運賃収受や車椅子の介助等のサービスのためと運転に手動介入が必要な場合に備えて大型2種免許を保持した乗務員1名が同乗し、さらに、営業所で遠隔監視を行いながら運行している。

 同社は今後、乗務員を乗せない完全無人化を目指しており、実現することで地域公共交通を維持していくことが期待されている。

<運行に使用されている自動運転バス車両>
運行に使用されている自動運転バス車両
<車内の様子>
車内の様子

資料)伊予鉄バス(株)