国土交通白書 2025
第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽
コラム 埼玉県八潮市の道路陥没事故
○八潮市の道路陥没事故の対応
2025年1月28日、埼玉県八潮市で流域下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没事故が発生し、トラックが巻き込まれた。さらに、一時は約120万人に下水道(洗濯や入浴)の使用自粛が求められるなど、大きな影響が発生した。国土交通省では同様の事故の発生を未然に防ぎ、国民の安全・安心が得られるよう、全国の地方公共団体に対して下水道管路の全国特別重点調査の実施を要請している。また、地下管路の施設管理のあり方などを検討する有識者委員会を設置し、2025年度にかけて引き続き検討を進めることとしている。
○これからのインフラ老朽化対策の重要性
埼玉県八潮市で発生した陥没事故のような下水道管に起因する道路陥没等は、2022年度には全国で、約2,600件発生している。
我が国では、2012年の笹子トンネル天井板崩落事故を受け、所管のインフラ全分野を対象に、点検ルールを明確化するとともに、メンテナンスサイクルを確立させるため、インフラ長寿命化計画を策定した。これに基づき定期的な点検・診断、修繕計画への反映、計画的な修繕などを推進してきた。
今後の老朽化対策にあたっては、人口減少に伴う財政への影響も踏まえ、中長期的な対策予算を低減・平準化するため、予防保全型メンテナンスへの転換を加速させるとともに、地域の将来像を考慮したインフラの集約・再編等を進める必要がある。
2025年6月の国土強靱化実施中期計画の策定においては、下水道の老朽化対策について、本件事故も踏まえて検討することが位置づけられており、今後、有識者委員会等での議論も踏まえ、インフラ老朽化対策に必要な対策の検討を進めることとしている。