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国土交通白書 2025

第1節 国土交通分野における施策の新展開の萌芽

コラム 多能工人材育成「躯体屋JV」((株)大林組)

 建設業界では、少子高齢化に伴う建設技能労働者の高齢化や、担い手不足、時間外労働の上限規制への的確な対応が喫緊の課題となっている。

 総合建設業を営む(株)大林組は、同社や調達先の社員が講師を務めとび工・鉄筋工・型枠工の育成を行う「大林組林友会教育訓練校」の開校・運営をはじめ、多能工人材を育成する、「躯体屋JV」の組成等を通じ、建設技能労働者の育成環境を整備に取り組んでいる。

 「躯体屋JV」は2021年、とび・鉄筋・型枠業者により組成され、現在は4社が参画している。躯体屋JVでは、勉強会の開催や、建設現場での実務研修を展開しており、現場に即した経験を積むことができる。また、職長クラスの人材を、(株)大林組の建設現場へ出向させ、躯体工事一式として現場施工管理業務を経験してもらうことで、多能工組織の管理者育成にも注力している。躯体屋JVには、これまででのべ14名が勉強会・実務研修に参加している。

 マンション等の繰り返し工程がある物件において、従来はとび工・鉄筋工・型枠大工の作業員数を増減させ、他工種と調整する必要があったが、多能工化に取り組むことで調整の手間がなくなり、作業員の無駄を削減することが期待される。

 実際に、躯体屋JVに参画している(株)松居組では、多能工化を進めることで工事の効率化を実現しており、同社が手掛けた工事に多能工を活用することで、12人工(約4%)の削減を実現した。

 1人で複数の工程をこなすことができる多能工人材を育成することで、作業の引継ぎの際に手待ち時間が解消される。人材育成に注力することで、現場で活躍できる人材の輩出が可能になり、建設業が抱える担い手不足の解消につながることが期待される。

<とび工が型枠組立を行う様子>
とび工が型枠組立を行う様子

資料)(株)大林組