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国土交通白書 2025

第2節 デジタル技術の活用によるイノベーションの推進

■3 地理空間情報を高度に活用する社会の実現

 誰もがいつでもどこでも必要な地理空間情報注1を活用できる「G空間社会(地理空間情報高度活用社会)」の実現のため、令和4年3月に閣議決定された「地理空間情報活用推進基本計画」に基づき、地理空間情報のポテンシャルを最大限に活用した多様なサービス創出・提供に向けた取組を産学官民が一層連携して推進している。

(1)社会の基盤となる地理空間情報の整備・更新

 電子地図上の位置の基準として共通に使用される基盤地図情報注2及びこれに国土管理等に必要な情報を付加した国の基本図である電子国土基本図注3について、関係行政機関等と連携して迅速な整備・更新、3次元化に向けた取組を進めている。また、空中写真、地名に関する情報、標高データ、都市計画基礎調査により得られたデータや国土に関する基礎的な情報をGISデータ化した国土数値情報の整備等の取組を行っている。国土数値情報については、令和6年7月公表の「今後の国土数値情報の整備のあり方検討会最終とりまとめ」を踏まえた整備・更新を行うとともに、「地理空間情報データチャレンジ~国土数値情報編」を開催する等、更なる利活用促進に向けた取組を進めている。

(2)地理空間情報の活用促進に向けた取組

 各主体が整備する様々な地理空間情報の集約・提供を行うG空間情報センターを中核とした地理空間情報の流通の推進、Web上での重ね合わせができる地理院地図注4の充実、人流データの利活用促進(自治体の利活用における課題把握や事例収集、三次元人流データの活用等)等、社会全体での地理空間情報の共有と相互利用を更に促進するための取組を推進している。さらに、激甚化しつつ多発する自然災害を受け、地形と自然災害には密接な関係があるため、地形分類データ、明治期の低湿地データ、自然災害伝承碑等の防災に役立つ地理空間情報を地理院地図から提供することは、地域における自然災害へのリスクを把握する上で極めて有用であることから、防災・減災の実現等につながるそれらの地理空間情報の活用力の向上を意図して、地理院地図の普及活動を行った。また、地理空間情報を活用した技術を社会実装するためのG空間プロジェクトの推進のほか、産学官民連携による「G空間EXPO」の開催や地理空間情報を扱う多様なユーザーとのコミュニケーションを図る「場」としての「地理空間情報課ラボ」の立ち上げ等、地理空間情報施策の一層の普及啓発に向けた取組を行った。

(3)建築・都市のDX

 地理空間情報も活用しながら、個々の建築物の情報の3次元デジタル化を図る建築BIM、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進するPLATEAU、土地・建物を一意に特定する不動産IDに係る取組を一体的に推進し、高精細なデジタルツインや建築・都市分野の多様なデータを不動産ID等の情報連携キーで連携する環境を構築する。

 こうした取組を通じて、EBPMに基づくまちづくりの高度化や官民データ連携による新サービスの創出を図る。

  1. 注1 空間上の特定の地点又は区域の位置を示す情報(当該情報に係る時点に関する情報を含む)及びこの情報に関連づけられた情報。G空間情報(Geospatial Information)とも呼ばれる。
  2. 注2 電子地図上における地理空間情報の位置を定める基準となる、測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画等の位置情報。項目や基準等は国土交通省令等で定義される。国土地理院において、平成23年度までに初期整備が行われ、現在は電子国土基本図と一体となって更新されている。
  3. 注3 電子的に整備される我が国の基本図であり、我が国の領土を適切に表示するとともに、全国土の状況を示す最も基本的な情報として、国土地理院が整備する地理空間情報。ベース・レジストリに指定されている。
  4. 注4 国土地理院の運用するウェブ地図(https://maps.gsi.go.jp/)。国土地理院が整備した地形図、写真、標高、地形分類、災害情報等の地理空間情報を一元的に配信。