(1)国鉄長期債務とその承継

〜25.5兆円が清算事業団へ


 昭和62年3月31日をもって日本国有鉄道は幕を閉じたが、その時点(昭和62年度首)において処理しなければならない国鉄長期債務等の総額は、37.1兆円という膨大な額にのぼった〔1−4−1図〕。この国鉄長期債務等については、事業の健全かつ円滑な運営に支障が生じない範囲で旅客会社等に承継させ、残るものについては清算事業団が処理することとなったが、そのうち新事業体は11.6兆円(うちJR東日本、JR東海、JR西日本、JR貨物等が計5.9兆円、保有機構が5.7兆円)を負担することとされ、残る25.5兆円については清算事業団において処理することとなった。なお、保有機構は、自らの承継債務5.7兆円に加えて、新幹線施設の再調達価額と簿価の差額2.9兆円を清算事業団に対して負担することとなっており、これを併せた8.5兆円をJR本州3社が新幹線施設リース料の支払いという形で負担していたため、実質的なJR本州3社、JR貨物等の負担総額は14.5兆円であった。