(3) 関西国際空港の2期事業


 関西国際空港への乗り入れ便数は、増大する航空需要に合わせて今後ともますます増加し、現在の滑走路1本のままでは、21世紀初頭にはその処理能力の限界である16万回に達することが予測されている。
 一方、現在近隣アジア諸国においては、増大する国際航空需要に応えるべく国際ハブ空港の建設が進められており、関西国際空港についてもこの需要増に適切に対応するため空港能力の拡充を図る必要がある。
 このような状況の中、地元において全体構想の地元案が決定されるとともに、航空審議会の中間とりまとめにおいて、「残る2本の滑走路を整備する全体構想のうち、当面、2期事業として平行滑走路の建設及びそれに関連する施設整備に早急に着手する。」との位置付けがなされた。これらを踏まえて、8年度予算において2期事業の着工が決定された。
 2期事業の内容は、現在の空港島の沖合に新たに約530haの空港島を埋め立て、2本目の平行滑走路(4,000m)、エプロン、誘導路、サテライト、1期地区との連絡シャトル等を整備するとともに、全体構想との関係を踏まえ、横風用C滑走路の取り付け部分の地盤改良を行うものである。
 また、2期事業の事業手法の概要は以下のとおりである〔2−9−5図〕

 

 この後、8年5月には「上下主体分離方式」を法的に位置付ける「関西国際空港株式会社法の一部を改正する法律」が公布、施行されるとともに、同年6月11日には、用地造成主体である関西国際空港用地造成株式会社が設立され、同13日、運輸大臣が2期事業の指定造成事業者として指定した。これにより、関西国際空港は2期事業を推進する体制が整い、本格的な国際ハブ空港を目指すこととなった。
 8年度は、10年度末の現地着工、19年(2007年)平行滑走路供用開始に向けて、空港計画調査、環境アセスメント、埋立、空港施設設計調査等の実施設計調査を行っている。