1960年代初頭に本格化した国際海上コンテナ輸送は、輸送効率の高さを背景に急激に増加し、現在では我が国の外貿定期貨物量の約9割、海上貿易額の約5割を占めるなど、国際物流の主力を担っている。近年では、産業構造の変化、国際水平分業の進展、円高等を背景に、輸入コンテナ貨物量の増加が著しく、6年には初めて輸出コンテナ貨物量を上回るに至っている〔2−8−3図〕。
一方、1980年代以降、近隣アジア諸国の急速な経済発展に伴い、国際海上コンテナ物流における近隣アジア地域の占める割合が大幅に増加するとともに、コンテナ物流の中心は日本から近隣アジア諸国へとシフトし、相対的に我が国港湾の地位が低下しつつある〔2−8−4図〕。
こうした中、輸送効率のさらなる向上を目指し、欧州・北米の基幹航路を中心に、コンテナ船の急速な大型化が進展していることを背景に、近隣アジア諸国の主要港においても、大水深コンテナターミナルの整備が積極的に進められている〔2−8−5図〕。
これに対し、我が国では、香港、シンガポールで既に供用されている水深15m級のコンテナターミナル整備が大きく立ち遅れている〔2−8−6表〕。
このため、水深15m級で広いヤード、高能率な荷役システム等を有するコンテナターミナルを中枢国際港湾(東京湾、伊勢湾、大阪湾、北部九州のいわゆる国際ハブ港湾)において早急に整備することにより、我が国港湾の国際競争力を高めるとともに、スケールメリットによる物流コストの削減を図ることとしている。
また、三大湾と北部九州以外の地域で生産・消費される貨物は日本全体の3割を超えているが、ハード面、ソフト面の整備の遅れ等から、これら地方圏の港湾で積み卸すコンテナ貨物は全体のわずか5%程度にすぎず、三大湾等への長距離陸上輸送を強いられており、我が国物流の高コスト構造の一因となっている。
このため、一定のベースカーゴの集積が期待できる全国8地域(北海道、日本海中部、東東北、北関東、駿河湾沿岸、中国、南九州、沖縄)の中核国際港湾において、国際海上コンテナターミナルの拠点的整備を推進することにより、三大湾への貨物の過度の集中を緩和し、陸上輸送距離の短縮による物流コストの低減を図ることとしている〔2−8−7図〕。
我が国の外貿貨物のうち、木材、石炭、飼料等のバルク貨物は重量ベースで8割以上を占めている。こうしたバルク貨物は価格が安く運賃負担力が小さいため、一定量の貨物が集積する地域ごとに、多様な荷姿の貨物を取り扱うための、多目的国際ターミナルを配置する必要がある。このため、近年の船舶の大型化に対応した大水深の多目的国際ターミナルを拠点的に整備し、物流コストの削減を図ることとしている。
大量性、低廉性かつ環境負荷の少ない内航海運の優れた特性を活かし、効率的な国内物流体系を構築するためには、貨物の発生・集中地から複合一貫輸送に対応した港湾の内貿ターミナル(フェリー、RORO船等に対応できる十分な荷役ヤードと駐車スペースを有する施設)へ、トラックで短時間に往復できることが重要である。このため、海・陸の複合一貫輸送のメリットを享受できる「陸上輸送半日往復圏」(トラック輸送で1日2往復が可能となる圏域)の人口カバー率を現状の7割から21世紀初頭には9割に向上するよう内貿ターミナルの拠点的配置を進め、物流コストの削減に寄与する〔2−8−8図〕。
経済のグローバル化や製品・半製品を中心とした輸入貨物の増大に対応した港湾空間の整備を図るためには、輸入促進地域(FAZ)等において、コンテナ輸送による輸入貨物の荷捌き、保管に加えて、流通加工、情報処理等を効率的に行うための総合輸入ターミナル等の物流施設の整備を進める必要があり、民活法等によりこれらの整備を支援している。
9年には、民活法に基づき、神戸港等5港での総合輸入ターミナルの整備計画を認定した。この結果、現在、全国15港で同ターミナルが供用中又は整備中となっている。これらの施設は、地域の活性化や雇用の拡大に貢献するだけではなく、アジア諸国をはじめとした世界と我が国の各地域が直接交流していく新しい時代の物流拠点を形成するものである。