7年1月に発生した阪神・淡路大震災では兵庫県、徳島県、大阪府の24の港湾で甚大な被害が発生し、特に神戸港はコンテナターミナルが使用不可能になるなど壊滅的な被害を被った。
神戸港の復旧・復興については、7年2月に港湾局がとりまとめた「神戸港の復興の基本的考え方」及び7年4月に阪神・淡路大震災復興対策本部で決定された「阪神・淡路地域の復旧・復興に向けての考え方と当面講ずべき施策」において、概ね2年後の8年度末を目途に港湾機能の回復を図ることとされ、第三港湾建設局に震災復興建設部を設置するなど災害復旧事業の実施体制を整備し、港湾管理者である神戸市や神戸港埠頭公社などと連携しながら鋭意復旧事業などを推進してきた。
その結果、当初の予定どおり、8年度内で神戸港の港湾施設の復旧工事はほぼ完了し、港湾機能を回復したところである(トピック参照)。
また、被災後、急激に落ち込んだ港湾取扱貨物量などについては、8年度の実績では、震災前の6年の実績と比較し、貨物量は約8割、入港隻数及び貿易額では9割まで回復している〔2−8−16表〕。
神戸港以外の港湾についても鋭意復旧事業を推進しており、9年12月をもって復旧工事を完了する予定である。
阪神・淡路大震災から2年を経て、港湾機能が回復した神戸港では、震災前の港勢をしのぐような全面復興が一日も早く実現できるよう、大水深の国際海上コンテナターミナル、臨海部防災拠点、港島トンネルの整備などが推進されている。
阪神・淡路大震災では、災害によって港湾施設が大規模な損害を受けた際に社会・経済が受ける影響の大きさ、また、災害発生後の復旧・救援活動の際に港湾が果たす役割の大きさが改めて認識された。
これらの教訓を踏まえ、7年8月に耐震設計の充実強化、耐震強化岸壁、防災拠点の整備の推進などを骨子とする「地震に強い港湾をめざした当面の措置」をとりまとめ、さらに、8年12月には耐震強化岸壁、防災拠点の整備の基本的な考え方をとりまとめた「港湾における大規模地震対策施設整備の基本方針」を策定し、公表した。
その概要は以下のとおりである。
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