外国船舶監督官の創設(9.4.1)
平成9年4月1日より、我が国に入港する外国船舶への立入検査(ポートステートコントロール:PSC)を行う外国船舶監督官46名が全国の地方運輸局等14官署に配置された。
従来は、このPSC業務を、船舶の構造・設備に係る部門については船舶検査官が、船舶職員の証明書の所有の有無、船舶の航海当直体制に係る部門については船員労務官等がそれぞれ別個に実施してきた。しかしながら、近年の人的な要因による海難等の増加により、国際的にもPSCの充実強化が求められ、根拠規定となる国際条約が改正、強化されたことから、より効果的かつ効率的なPSC業務の実施のため、同業務を一元化した専従組織である外国船舶監督官を創設するに至った。
9年1月、ロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」の沈没事故が発生し、重大な海洋汚染と海洋資源の被害を招いたこともあり、外国船舶監督官はこのような重大な事故の再発防止に大きな役割を担うものとして期待されている。
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