(輸送指数は輸送業総合、輸送活動総合とも緩やかに増加)
輸送指数の動向について、9年度についてみてみると、輸送業総合の輸送指数は、対前年度比(以下同じ。)0.4%増(8年度は2.2%増)、自家輸送を含む輸送活動総合の輸送指数は、1.1%増(8年度は2.0%増)と8年度の伸びに比べると鈍化している〔2−1−20図〕。
また、9年度中の四半期毎の輸送指数の推移(対前年同期比伸び率)を営業用輸送活動の動きを示す輸送業総合についてみてみると、9年10〜12月期まで伸び率が鈍化を続け、10年1〜3月期にはマイナスに転じるなど、実質GDPの対前年同期比に呼応した動きを見せている。その要因として、景気の低迷に伴い、それまで大きくプラスに寄与していた国内貨物の寄与度がマイナスの寄与へと変化したことが挙げられる〔2−1−21図〕。
国内旅客について9年度における各輸送機関の寄与度の動向をみると、プラスに寄与しているのは航空のみであり、旅客需要の減少傾向の続く営業用乗用車(バス、ハイヤー・タクシー)に加え、鉄道もマイナスに寄与したことにより、その結果、国内旅客輸送業の輸送指数は1.5%減(8年度は0.4%減)と減少幅が拡大している。
また、国内貨物について各輸送機関の寄与度の動向をみると、8年度に大きくプラスに寄与していた営業用トラックが縮小したことに加え、住宅着工数の大幅減少などによって建設財の輸送量が減少した自家用トラックがマイナスの寄与へと変化したことなどにより、9年度の国内貨物輸送活動の輸送指数は0.4%増(8年度は3.6%増)と、伸び率が減少した。
<輸送指数とは>
輸送指数とは、我が国の国内旅客・貨物輸送活動及び我が国企業による国際輸送活動を総合的にとらえ、指数化したものである。具体的には、各輸送機関別の旅客・貨物輸送量(原則として旅客は人キロ、貨物はトンキロ)を、それぞれの輸送機関の創出した粗付加価値額(雇用者所得・営業余剰等)をウェイトとして、基準時加重相対法(ラスパイレス法)により総合化している。
したがって、人や人キロまたはトンやトンキロを単位とするそれぞれの輸送量に対して、輸送活動を経済的側面からとらえた総合的な指数であり、国内総生産(GDP)や鉱工業生産指数等と対比してとらえることができるものである。
このうち、「輸送業総合」は、鉄道、バス、航空等の営業輸送のみの輸送指数を、「輸送活動総合」は、営業輸送及びマイカー等の自家輸送の両者を含めた輸送指数を指す。
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