1 現在までの取り組み


(1) 行政の取り組み

(2) 航空企業自身の取り組み

 我が国航空企業自身の取り組みとしては、雇用形態や賃金体系の見直しによる人件費の圧縮、宣伝費その他の管理費の節減に加え、ウェットリース(注1)や航空貨物における運航委託の活用、コードシェアリング(注2)の活用による路線運営の改善等の運航費の節減を行いコスト削減を懸命に行っている。
 また、輸送サービス面では、航空ネットワークの拡充や輸送力の増強のほか、FFP(常顧客優遇制度)の特典の拡大等各種の営業努力が行われている。運賃についても、国際航空では、PEX(個人回遊運賃)運賃の設定等により増収に取り組んでいるほか、国内航空でも上述の幅運賃制度の導入等に伴う新しい運賃制度・割引運賃の活用等により増収に取り組んでいる。
 長期にわたり景気の低迷が続いているものの、これら輸送サービスや運賃面での取り組みの効果が輸送需要の増加傾向というかたちで顕在化してきている。しかしながら、航空企業にとっては、収入単価の減少のため、旅客数の増加の割りには収益増につながっておらず、経営面では厳しい状況が続いている。このため、航空企業においては、輸送サービスや運賃面のみならず、運航乗務員の人件費削減等の経営効率化の課題にも引き続き取り組んでいくことが求められている。


(注1)ウェットリース:乗員と機材をパッケージにして他の航空会社にリースする形態。

(注2)コードシェアリング:ある航空会社が自社の機材等を用いて運航する便に、当該会社を含む複数の航空会社がそれぞれ自社の便名を付し、その座席を分割して各社が自社便として販売する形態。


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