1 総合的な物流施策の推進
「総合物流施策大綱」においては、社会資本の整備、規制緩和の推進及び物流システムの高度化に関する施策を重点的に講じるとともに、関係省庁間の連携体制を整備して施策の総合的推進を図ることとし、施策の実施状況については毎年フォローアップを行うこととされている。
また、物流効率化施策は「地球温暖化推進大綱」等においても重要性が謳われており、経済構造改革のための一つの柱として位置づけられるばかりでなく、地球環境問題等の社会的制約に対応するための重要な施策の一つとして認識されるに至っている。
〇 運輸省物流施策アクション・プランの策定
「総合物流施策大綱」を踏まえつつ運輸省としての物流施策を強力に推進していくため、平成10年9月に「運輸省物流施策アクション・プラン」を決定している。これは、当面進めようとする物流施策について基本的考え方と具体的施策を明らかにしたものであり、近年の物流を巡る環境の急激な変化の中で、物流構造改革に向けて取組むべき施策を示したものである。本アクション・プランにおいては、物流システムにおいて現実の物流活動に携わる主体は物流事業者であり、物流システムの効率化における国の責務は物流事業者が活動を展開する基盤の整備・運営と物流の抱える社会的課題の解決であるとの考え方の下、運輸省としてハードに係る施策とソフトに係る施策を一体的に展開していくこととしている。
地域における物流効率化については、経済活動における高コストの低廉化、地域経済の振興、環境問題に対する住民意識の高まりへの適切な対処等の観点から、地域が中心となって取り組んでいく必要がある。このため、10年1月に「地域における物流マネジメントのあり方に関する研究会」を設置し、地方公共団体における取り組みの事例も参考にしながら、地域における物流効率化についての総合的かつ計画的な取り組み(「地域物流マネジメント」)の推進方策のあり方について検討を行っているところである。
複合一貫輸送においては、輸送モード間の結節点における円滑な貨物の積み替えを必要とするため、一貫パレチゼーションの推進や複合一貫輸送対応型車両の開発等の施策を推進している。
また、諸外国における我が国のフォワーダーの自由な事業展開を確保するため二国間の協議等を行っており、11年4月には、中国との間で第6回日中フォワーダー協議を行った。
〇 情報化への取り組み
政府及び民間の双方が参画した「物流EDIセンター」を中心に、国内標準メッセージ(JTRN)の改良・維持管理及び普及啓蒙活動、JTRNと国際標準との整合性の確保についての検討や、インターネットEDI等新技術の検討等を通じ、物流EDIの普及を推進している。
現在、国際航空貨物輸送に係る航空運送状のEDI化等が積極的に進められており、我が国としても同分野における情報化を推進していく必要があるため、カーゴ・コミュニティ・システム(航空会社、航空フォワーダーなど航空貨物輸送に携わる参加者間で航空貨物関連情報を電子的に交換するネットワーク・システム)の整備の促進を図っているところである。
地球環境問題が国際的な喫緊の課題となっている中で、物流部門においても対応が必要となっており、環境への負荷がより小さい海運及び鉄道の活用による自動車輸送からの転換(モーダルシフト)を促進する必要がある。
「運輸省物流施策アクションプラン」においては、長距離雑貨輸送における海運及び鉄道が占める割合(モーダルシフト化率)を現在の約40%から2010年(平成22年)には50%を超える水準に向上させることが目標として設定されている。この目標を達成するため内航コンテナ船・内航RORO船等の整備、内貿ターミナルの整備、鉄道貨物輸送基盤の整備等、さまざまなモーダルシフト施策を推進している。
今後ともモーダルシフト推進のために、ハード・ソフト両面からの強力な対策を実施することとしている。