1 鉄道整備の推進
鉄道整備のための投資については、懐妊期間の長期化や今後大幅な需要の伸びが期待できないこと等により、そのインセンティブが働きにくくなってきている。このため、平成10年12月に、社会的に必要とされる適切な鉄道整備のあり方及びその方策について、運輸政策審議会に諮問した。
○整備新幹線の整備
整備新幹線については、国土の均衡ある発展と地域の活性化に資することから、平成8年12月の政府与党合意及び平成10年1月の政府・与党整備新幹線検討委員会の検討結果に基づき、その整備を着実に推進している。
また、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の技術開発については、10年10月に試験用車両が完成し、11年1月の山陰線での走行試験後、4月より米国コロラド州プエブロの試験線において、高速走行試験や耐久性確認試験等を実施している。
○在来幹線鉄道の整備
幹線鉄道の高速化を進めるほか、今後の高速鉄道網整備の一方策としての新幹線直通運転化事業について、その整備効果等について検証するとともに、全国における将来の事業化の可能性について調査を行っている。
○都市鉄道の整備
○都市整備と一体となった鉄道駅の総合的な改善
鉄道駅については、利用者利便の一層の向上や安全性の確保等を図ることのほか、地域の振興のための街の活性化や街づくりという観点からの整備も重要であることから、運輸省では、平成11年度予算において「鉄道駅総合改善事業費補助」を創設し、都市開発等と一体的に鉄道駅を総合的に改善する事業に対し、国及び地方が助成措置を講じることとした。
運輸省は、運輸政策審議会答申、運輸技術審議会答申等を踏まえ、必要な制度改正等を進めることとし、@事業参入について、現行の需給調整規制を含む免許制を廃止して路線毎の許可制とすること、A事業退出について、現行の許可制を改め、原則1年前の事前届出制とすること、B一定の技術力を有することについて運輸大臣の認定を受けた鉄道事業者は、安全規制に係る手続を簡略化すること、C運賃認可について、現在運用で行っている上限価格制を法律に明記すること、D旅客の乗継ぎ利便の向上を図るため、乗継円滑化措置制度を整備すること等を内容とする「鉄道事業法の一部を改正する法律」が、平成11年5月に公布された(施行は12年春予定)。
○利用者利便の向上
利用者利便の一層の向上、高齢者・身体障害者等の円滑な移動の確保等を図ることが重要であることから、エレベーター・エスカレーターの設置について「鉄道駅におけるエレベーター及びエスカレーターの整備指針」(11年4月改訂)を策定する等、駅施設や車両のバリアフリー化の促進を指導するとともに、補助を行っている。
○鉄道事故調査・分析体制の整備
鉄道の事故調査・分析については、運輸技術審議会答申(平成10年11月)において、公平・中立の立場から国が事故等の調査・分析を行うとともに、鉄道事業者による事故等の調査・分析結果を的確に評価することが必要であることの指摘がなされたことを受け、「事故調査検討会」及び「事故分析小委員会」による事故等の調査・分析体制を整備した。

国鉄清算事業団の債務等の処理を図るために必要な措置を定めた「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」が、10年10月15日に成立、10月22日に施行され、国鉄清算事業団は同日をもって解散した。
なお、国鉄清算事業団職員の再就職対策については、関係各機関の多大な協力により、10年3月31日をもって職員全員の再就職等が決定した。また、日本鉄道建設公団に引き継がれた業務(資産処分及び年金支払)の一環として、11年8月にJR東日本株式の第2次売却を実施した。