第9章 人・ものの流れを支える航空


 我が国の航空輸送は、旅客・貨物ともに急速な発展を続けており、これらの増大する航空需要に対応するためには、航空輸送サービスの充実、航空安全の確保及び基盤たる空港整備の促進を図り、国内・国際航空ネットワークを一層充実させる必要がある。

1 航空輸送サービスの充実と航空安全の確保

 競争を通じた国内航空ネットワークの充実を図るため、平成10年4月の運輸政策審議会答申を踏まえ、11年6月、安全の確保に十分配慮しつつ、需給調整規制を撤廃し、運賃を認可制から届出・変更命令制へ移行する、等の大幅な規制緩和を内容とする航空法の改正が行われた。現在、地域航空路線の維持・活性化に向けた支援措置の拡充を行うとともに、改正航空法の12年2月の施行に向け、混雑飛行場における発着枠の配分の検討、運賃の自由化に伴う情報公開の在り方及び運賃の届出・変更命令制度の具体的運用についての検討等、競争環境のための準備が進められている。また、利用者利便の向上及び地域経済の活性化の観点から、航空ネットワークの維持・拡充等を一層図るため、着陸料の引き下げ及び航行援助施設利用料の負担の適正化が図られることとなった。
 他方、需給調整規制の廃止後の競争状況の中でも、航空における安全な運航の確保は引き続き最も重要な課題であることから、同改正において、@航空会社の運航・整備に関する業務の管理の受委託の許可、A機長資格制度の見直し、B航空運航整備士資格の創設、C機器の装備義務に係る規定の整備、D重大インシデントの報告の義務化等、安全規制の見直しも行われた。
 国際航空の分野でも、乗り入れ地点の追加や増便等に関する諸外国との航空当局間協議を通じ、航空ネットワークの充実を図ってきている。企業等が保有する小型機についても、大都市圏の空港容量の制約はあるものの、その受け入れに取り組み、空の幅広い利用を図っていくこととしている。

2 空港整備等の推進

 航空ネットワークの充実を図るうえでボトルネックとなっている大都市圏における拠点空港について、その整備を空港整備の最重要課題として推進してきている。
 すなわち、首都圏では、新東京国際空港の平行滑走路の整備については、11年5月に発表した新しい方針に基づき、引き続き現行計画に基づく2,500mの滑走路の整備を目指すものの、それが当面困難な場合を想定して、暫定的措置として2002年(平成14年)初夏のサッカーワールドカップの開催に間に合うよう、延長約2,200mの平行滑走路を建設・供用するための航空法の手続を11年9月に開始したところである。東京国際空港の沖合展開事業については、現在、第3期計画(新B、新C滑走路及び東旅客ターミナル等)の整備を行っており、新B滑走路については11年度末、東旅客ターミナルについては15年度末の供用開始を目指し整備を推進している。首都圏空港については、首都圏における国内航空需要の増加に対応するため、海上を中心とした新たな拠点空港の立地に関して、総合的な調査検討を進めている。


 関西国際空港の2期事業については、8年度に着手されて以来、環境影響評価書の提出、漁業補償契約調印及び公有水面埋立免許を経て、11年7月14日に現地着工したところであり、2007年の4,000mの平行滑走路供用を目指し整備を進めている。中部国際空港の整備については、10年度から事業に着手し、11年8月24日に事業主体である中部国際空港株式会社が飛行場設置許可申請及び公有水面埋立免許出願を行ったところである。これらの手続が完了した後、現地工事に着手すること としており、2005年の開港を目途に整備を進めている。

3 次世代航空保安システムの整備

 航空管制の分野においても、今後増大が予想される航空交通を円滑に処理するため、通信、航法及び監視機能を併せ持つ運輸多目的衛星(MTSAT)を中核とする次世代航空保安システムの整備が着実に進められてきている。このシステムの導入により、管制間隔の短縮による交通容量の増大、安全性の向上、効率的な航空保安システムの形成等が可能となる。


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