3 経営方式の合理化
輸送力の増強,輸送方式の合理化等によつて本来の機能を充分発揮して流通の円滑および物資流通経費の節減,すなわち流通における生産性を高めるには経営方式の合理化も必要である。
近代施設,輸送方式とあいまつて営業活動体制の確立,すなわち貨物サービスセンターの拡充を初めとする営業活動体制の整備が行なわれるようになつてきた。また,専用線取扱数量は昭和39年には全国鉄発着数量の48.5%も占めているが,専用線制度に対して私有貨車制度の面も取りあげなければならない。最近の各種産業の著しい発達により 〔2−2−5図〕に示すように専用輸送を目的としたタンク貨車等が急増している。これを反映して39年には国鉄で運用されている総貨車数のうち私有貨車は8.9%を占めるにいたつている。また,国鉄・私鉄間で輸送需要に適した完全配車ができるように貨車のプール制等の有機的な運送制度の確立が必要である。
道路輸送としては業界自体の整理統合が重要な課題である。トラック事業者数は昭和39年度末において,1万9,725で,このうち路線業者が493で地場トラック業者がほとんどである。事業規模も小さく,保有車両については路線では10両以下,地場トラックにおいては5両以下が半数を占め,また,資本金については5,000万円以下が90%以上になつている。人件費の増大,労働力の不足,資金調達難等により企業の体質改善,再編成等の必要があるが,合併,系列化,資材の共同購入,ターミナルおよび車庫,荷役機械の共同使用,共同集配集金などの動きがみられ,39年12月には各地の協同組合の全国団体として日本貨物運送協同組合連合会が設立された。
輸送時間の短縮が最初にあげられるが,内航海運の輸送時間の構成を内航主要航路における主要貨物についてみると,航海時間が47%,荷役時間が16%荷役待時間が28%,出港準備時間が3%,気象,海象等による航海中の待機時間が6%となつており(海運局内航課調べ),航海時間以外の時間が意外に多い。
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