1. 自動車損害賠償責任保険


  自動車損害賠償責任保険(以下単に「責任保険」という。)は強制保険であり,原則として,すべての自動車は運行する場合には責任保険の契約を締結することが義務づけられている。
  責任保険の加入率は,車検対象車両についてはほぼ100%の加入率をみているが,車検制度のない軽自動車および原動機付自転車については,それぞれ85.7%(45年度末),52.9%(46年度末)と低率にとどまつている。そこで軽自動車および原動機付自転車の保険加入率の向上を図るため46年度から無保険車監視制度を新設した。この制度は,各陸運事務所ごとに監視員を委嘱し,監視員が街頭を巡回して,有効な保険標章等を表示していない車を確認した場合に警告書を送付し,保険加入をうながすというものである。
  保険金額は,制度の発足以来たびたび引き上げられ,現在は死亡500万円,傷害50万円,後遺障害19〜500万円となつており,保険金の支払状況については, 〔I−(I)−21表〕にみるとおり,46年度中に総数711,404人に対し総額289,941百万円の保険金が支払われた。45年度に比べ総額が23.6%の増加であるのに対し,1件平均支払額が18.9%の増加をみている。
  また,保険料は,主な車種でみると,年間で営業バス7万5,500円,大都市のタクシー15万2,300円,自家用乗用自動車1万8,650円,営業用トラック9万1,900円,軽自動車8,350円となつている。


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