1　建造量と受注量

(1)　建造量

　　昭和53年度の我が国新造船建造量(進水ベース)は1,042隻,453万総トンで前年度に比べそれぞれ12.8%減及び42%減であった。
　　このうち,主要造船業15社34工場は,前年度比49.1%減の283万総トン,中小造船業は前年度比43.7%減の170万総トンであり1依然として低落傾向が続いている 〔II−(IV)−１表〕。

(2)　受注量(建造許可ベース)

　　53年度においては,国内船新造船受注量は,前年度の水準を維持したものの輸出船新造船受注量が総トン数で前年度の52.6%に激減したため,全受注量は対前年度比34.9%減の322万総トンに後退した 〔II−(IV)−２表〕。この受注量は,我が国が過去最高を記録した48年度と比べると10分の1に満たないレベルとなった。世界全体の受注量823万総トン(ロイド統計)に占める我が国のシェアも52年の52%から53年は44%に後退している。
　　なお,当年度の輸出船の受注不振は,海運市況の低迷等に伴う新造船需要の伸び悩みのほか円高による受注環境の悪化を反映したものと思われる。

(3)　手持工事量(建造許可ベース)

　　53年度末の手持工事量は,特に輸出船の受注不振の影響で激減し,295隻(前年度比36.3%減)532万総トン(前年度比31.4%減)となった 〔II−(IV)−３表〕。この結果,手持工事量は5年間連続の減少となった。