(3) 極東中進国(地域)
韓国,台湾,香港及びシンガポールの極東中進国(地域)においては,経済成長鈍化がみられるものの,全体としては依然として高い成長を続けている。これを反映して,これらの国々(地域)の貨物旅客の輸送需要が飛躍的に伸びており,国際運輸市場における躍進にはめざましいものがある。
外航海運についてみると,世界の最重要航路である日本・極東-北米航路における極東中進国(地域)の海上コンテナ貨物輸送量が54年に我が国のそれを上回ったことからも,アジアの東南地域に海上輸送の比重が移りつつある傾向が分かる。これに伴い,極東中進国(地域)は,その船腹量が世界の5.5%(23,027千総トン)を占めるなど商船隊を着実に整備しつつある。
また,韓国の造船分野での発展が注目される。韓国は,その輸出額全体の15%を船舶輸出が占めるとともに,船舶建造量では世界合計の8%(1,473千総トン)を占め,56年以降我が国に次ぐ世界第2位の地位を保っている。
国際航空の分野では,59年の国際定期航空輸送量において,シンガポールが世界第7位,韓国が世界第8位と,ともにベストテンに入っており,両国のシェアの合計は6.4%と我が国に並んだ。
〔3−1−1図〕をみて注目されるのは,これらの国(地域)と我が国の間の航空旅客数のシェアが44%と米国の31%を上回っていることである。これらの国(地域)からの我が国への旅行者数でみても50年から59年まで約3.6倍になるなど,我が国との結付きはますます強まっている。
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