(4) 大洋州


   〔3−1−1図〕によれば,我が国と大洋州との間の海上輸送量は我が国の全海上輸送量の20%近くに達しており,米国のシェアを上回っている。これは,大洋州の中心国であるオーストラリア,ニュージーランドからの鉄鉱石,石炭等の原材料輸入が多いことを反映したものであり,両国にとって我が国は第1位の貿易相手国になっている。我が国と大洋州との間の定期航空旅客数は,59年度の日本発着全旅客数の2%程度であるが,オーストラリア,ニュージーランドと我が国との間の輸送実績をみると,日・豪間で55年度8.4万人から59年度には16.9万人(約2倍)に,日・ニュージーランド間で55年度の1.3万人から59年度には6.8万人(約5.2倍)へと,この間の日本発着総旅客数が1.4倍の伸びにとどまっているのに比べても飛躍的な伸びを示している。
  環太平洋諸国の間の運輸ネットワーク等については,これら諸国間の相互依存関係の強弱の度合いを反映して,東西間に比較して南北間のそれは発達が遅れている現状にある。太平洋島しょ国を含めて大洋州は,近年我が国との結付きを強めつつあるが,更に国際交流を活発化し,国際協調を図っていくため,太平洋を南北に貫く運輸ネットワークの整備と運輸分野での協力関係の拡充が重要になってきている。


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