2 民間設備投資


  59年度の民間設備投資は,「法人企業統計年報」によれば,全産業で11.5%増と大幅に増加し,製造業においても2年連続の横ばいから,18.1%増と大幅な増加になった 〔8−2−3図〕
  また,資本金階級別にみると,1億円未満の企業の投資の減少が目立っている。

 (運輸関係設備投資は,運送業部門で微増,全体で横ばい)
  運輸省の調査による原則として資本金5,000万円以上の所管事業の設備投資は, 〔8−2−4表〕のとおり,工事ベースで1兆3,755億円であり,0.2%増とほぼ横ばいの傾向をみせた 〔8−2−5図〕

  部門別にみると運送業部門では,2.6%増と2年ぶりに増加した。業種別にみると,港湾運送業,トラック運送業,内航海運業,民営鉄道業,通運業,ハイヤー・タクシー業,バス業,外航海運業が増加し,国内旅客船業,倉庫業,航空運送業が減少した。このうちトラック運送業は,ターミナル,自動車に関する能力増強投資,現有設備の更新のための投資の増により,22.6%増と3年連続の増加となり,民営鉄道業は,サービス改善・安全対策のための投資,現有設備更新のための投資増等により,12.5%増となった。また,外航海運業は,合理化及び省力化のための投資で減少したものの能力増強投資,現有設備の更新のための投資増により,2.1%増となった。一方,国内旅客船業は,合理化及び省力化のための投資の大幅な減少等により,55.6%減となり,倉庫業は,荷役機械,危険品倉庫に対する投資減から19.5%減となった。
  製造業部門は造船業の大幅減により6.3%減,その他の部門のうちホテル業(登録ホテルのみ)は,30.2%減と2年連続の大幅な減少となった。
  資本金階級別にみると,景気に比較的敏感な資本金1億円未満(ただし原則として5,000万円以上)の中小企業では,能力増強投資の低迷から8.2%減となったのに対し,資本金1億円以上の企業では,現有設備の更新,維持,補修のための投資及び能力増強投資の増加により,1.1%増と微増であった 〔8−2−6図〕
 (60年度計画では,製造業部門が減少,全体で横ばい)
  60年度設備投資計画は,工事ベースで59年度実績に比べ0.3%減とほぼ横ばいとなっている。部門別にみると運送業,その他業がほぼ横ばいの計画であるのに対し,製造業部門では,15.6%減と前年度に引き続き減少の計画になっている。


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