海難審判の流れ、手続き
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管轄移転の請求
- 遠距離などの理由により、近くの地方海難審判所で審判を受けることを請求できます。
なお、東京の海難審判所で審判が行われる事件は、管轄移転の請求ができません。 - 管轄移転請求は、審判の始まる前にしなければなりませんので、早い時期に手続をしてください。まずは地方海難審判所へお電話ください。
- 管轄移転請求書に理由を記載して、通告にある地方海難審判所へ提出してください。
- 海難審判所では、請求理由などを考慮し、また、他の関係者がいるときは、その意見を聞いたうえで変更するかどうかを決めます。
- Q.管轄移転が決定されたときは、移転を請求した人だけが移転先で審判を受けるのですか?
- A.事件が移転されるので、移転請求をしていない人も、移転先の地方海難審判所へ出頭して、審判を受けることになります。
補佐人の選任
補佐人は、裁判における弁護人にあたる人で、海事補佐人として海難審判所に登録された人です。
- 補佐人は、あなたの主張を代弁するなどの補佐をしてくれます。
- 補佐人の選任は、補佐人選任届を海難審判所又は地方海難審判所へ提出してください。
- 公益財団法人 海難審判・船舶事故調査協会の相談所でも、海難審判に関する相談に応じています。
- Q.補佐人を必ず付けなければならないのですか?
- A.必ずしも付ける必要はありませんが、審判手続に不慣れなことから、十分に自己の主張ができない場合にはあなたに代わって、補佐人が活動してくれます。
- Q.補佐人をいつお願いすれば良いのですか?
- A.補佐人を頼むのであれば、あなたが主張したいことなどを前もって相談できるよう、なるべく早い時期が良いでしょう。
- Q.補佐人を依頼すると費用がかかるのですか?
- A.費用がかかります。
あなたの収入によっては、公益財団法人 海難審判・船舶事故調査協会でその費用を扶助してくれる制度がありますので、相談所に事前に相談してください。
テレビ会議システムによる尋問
- 「審判開始申立の通告」にある海難審判所で審判が行われます。
- あなたが遠隔地に居住しているためにその海難審判所又は地方海難審判所に出頭することが困難なときには、最寄りの海難審判所(全国9か所)に出頭し、テレビ会議システムを利用して審判が受けられるよう上申書を提出することができます。
- 上申を受けた審判官が、上申理由を相当と認めるときには、他の関係人に意見を聴いてテレビ会議システムにより審判を行う決定をします。
- Q.テレビ会議システムを利用した審判を行う決定がされたときには、上申書を提出した人だけが最寄りの海難審判所で審判を受けられるのですか?
- A.そうです。
審判期日の変更
- 審判期日が決まったら、特別送達により、呼出状が送られてきます。
- 呼出状に指定された期日に病気等により出頭できないときは、審判期日の変更を請求できます。
審判期日変更請求書 様式[PDF]
記入例[PDF]
- 審判期日の変更は、事件番号・事件名・あなたの住所・氏名・出頭できない理由(医師の診断書などがあれば添付)・出頭希望日などを記載した書面を、呼出先の海難審判所又は地方海難審判所へ提出してください。
- 請求理由が正当であると認められた場合は、あらたに審判期日が定められ、再度呼出状が送付されます。
呼出状


- Q.特別送達とはどんな郵便ですか?
- A.特殊郵便の一種で、あなたが呼出状を受け取ったことが、郵便配達員から海難審判所又は地方海難審判所に報告されるものです。
- Q.留守にしていたら、どうなるのですか?
- A.家族等が受け取れますので、その場合はあなたに連絡ができるようにしておいてください。
事件記録の閲覧
- あなたが、審判で主張する事柄を整理するのに必要であれば、審判を行う海難審判所又は地方海難審判所で、事件記録を閲覧できます。
- 事件記録を閲覧する場合は、事件書類等閲覧申請書を海難審判所又は地方海難審判所へ提出して、許可を受けて閲覧してください。
- Q.事件記録を閲覧するのに、費用が必要ですか?
- A.事件記録を閲覧するのに、費用は必要ありません。
証拠の申請
- 海難の事実の認定と原因の判断は、証拠をもとに行われます。
したがって、適正な証拠が海難審判所又は地方海難審判所に集められることが重要です。 - あなたは、この事故の状況がわかる書類の提出や、事故の状況を知っている人を証人に申請することができますので、海難審判所又は地方海難審判所に申し出てください。
- Q.証拠の申請は、いつすればよいのですか?
- A.審判開廷当日でも、それ以前でもいつでもできます。
- Q.証拠の申請は、いくつでもよいのですか?
- A.制限はありませんので、理事官に提出されたほかに書類などがあれば、いくつでも申請してください。
意見の陳述
- 理事官は海難の事実を示し、受審人に対する懲戒について意見を述べます。
- 審判は、おおよそ次の順序で行われます。審判期日には、時間に余裕をもって出て来てください。
審判官の開廷宣言
↓
人定尋問
↓
理事官の審判開始申立て理由の陳述
↓
証拠調べ
↓
あなたや他の受審人等へ尋問
↓
理事官の意見陳述
↓
あなたや他の受審人、指定海難関係人、補佐人の意見陳述
↓
審判官の結審宣告(審理の終結)
↓
裁決言渡し
↓
人定尋問
↓
理事官の審判開始申立て理由の陳述
↓
証拠調べ
↓
あなたや他の受審人等へ尋問
↓
理事官の意見陳述
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あなたや他の受審人、指定海難関係人、補佐人の意見陳述
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審判官の結審宣告(審理の終結)
↓
裁決言渡し
【審判廷の出席者】
審判官、書記、理事官、受審人、指定海難関係人、補佐人です。
なお、審判は公開の審判廷で行われますので、誰でも傍聴することができます。
【裁決の言渡し】
この事件の事実経過等と、関係人の処分が言い渡されます。
なお、裁決の処分には、免許の取消、業務の停止、戒告があります。
審判官、書記、理事官、受審人、指定海難関係人、補佐人です。
なお、審判は公開の審判廷で行われますので、誰でも傍聴することができます。
【裁決の言渡し】
この事件の事実経過等と、関係人の処分が言い渡されます。
なお、裁決の処分には、免許の取消、業務の停止、戒告があります。
- Q.審判は、どれ位の時間がかかるのですか?
- A.通常は1日で終わりますが、事件によっては第2回以降の審判を行うこともあります。
- Q.審判廷ではどんなことを聞かれるのですか?
- A.事故の状況などを尋ねられますので、当時を思い出して答えてください。
- Q.裁決は、書面でもらえるのですか?
- A.裁決言渡し後、裁決書謄本をお渡し又は送付します。
- Q.裁判を受けているのに、海難審判も行われるのですか?
- A.海難審判は、示談が成立したとか、罰金を支払ったとか、裁判での結果とは関係なく海技免許等の所有者に対し懲戒処分するために行われます。
その他の手続き
補佐人が行う手続き
お問い合わせ先
ご不明な点は海難審判所又は地方海難審判所までお問い合わせください。