自動車の種別
1.自動車は輸送するものにより貨物自動車と旅客自動車に分けられます。
(1)貨物自動車とは、貨物の運送の用に供する自動車で、トラック、ライトバン等です。
(2)旅客自動車とは、人の運送の用に供する自動車で、乗用車及びバスです。
2.自動車は業態によって営業用と自家用に分けられます。
(1)営業用とは、他人の求めに応じて貨物又は旅客を輸送する自動車で、トラック事業者、
バス事業者、ハイヤー・タクシー事業者、軽車両等運送事業者などが保有する自動車です。
(2)自家用とは、営業用以外のもの[例えば自家の取り扱う貨物又は当該自動車の所有者(又は使用者)
とその家族若しくは従業員等を輸送する自動車]です。
輸送トン数・輸送人員
輸送トン数は、自動車が輸送した貨物の重量をトンで表した数です。
また、輸送人員は自動車が輸送した人の数ですが営業用旅客自動車の場合、運転者や車掌は含みません。
輸送トンキロ・輸送人キロ
輸送トン数や輸送人員は、輸送した物の重量や人の数は表されますが輸送距離の概念が含まれません。
したがって、輸送活動の大きさを表すためには輸送トンキロ、輸送人キロの概念が生じてきます。
例えば、1トン(人)の物(人)を10km輸送したときは1×10=10トンキロ(人キロ)ですが、同じ1トン(人)を100km
輸送したときは、1×100=100トンキロ(人キロ)となります。
このように輸送活動を質的に比較するときは、トン数(人員)とトンキロ(人キロ)の両者が必要です。
能力トンキロ・能力人キロ
車両の輸送能力を表したもので、各車両が走ったとき常に最大積載量(乗車定員)の貨物(人員)を輸送した場合の
トンキロ又は人キロ(能力)を表したものです。
能力トンキロ(能力人キロ)と輸送トンキロ(輸送人キロ)の比較によって輸送効率が算出できます。
走行キロ
自動車が走った距離をキロメートルで表したもので、物や人を輸送したかどうかは問いません。
実写キロ
自動車が実際に貨物又は人を乗せて走った距離です。
実働延日車
貨物輸送又は旅客輸送のため走行した自動車(実働車という。)が、調査期間中に延日数にして何両あったかを
表したものです。
なお、平成22年10月より、調査方法を変更したため、自家用貨物自動車の実働延日車について、平成22年10月
以降は旅客輸送のみのために走行した日車数を含みません。
実在延日車
登録自動車が調査期間中に延日数にして何両あったかを表したものです。
1トン当たり平均輸送キロ
輸送トンキロ÷輸送トン数
1人当たり平均輸送キロ
輸送人キロ÷輸送人員
実働1日1車当たり輸送トン数
輸送トン数÷実働延日車数
実働1日1車当たり輸送人員
輸送人員÷実働延日車数
実働1日1車当たり走行キロ
走行キロ÷実働延日車数
実働1日1車当たり輸送回数
総輸送回数÷実働延日車数
実働率
実働延日車÷実在延日車×100
実車率
実車キロ÷走行キロ×100
標準誤差率とその計算方法
調査の結果は、標本調査で調査票が回収された標本から得られた推定値なので、標本誤差を含んでおり、
全数調査をすれば得られるはずの値(以下「真の値」といいます。)とは必ずしも一致しません。集計結果の
推定値には、標本調査による一定の統計的誤差を含んでいます。
「標準誤差率」は、全数調査を行った場合に得られるはずの「真の値」の存在範囲を示す目安となるものです。
推定値を中心として、その前後に標準誤差の2倍の幅を取れば、その区間内に真の値があることが約95%の
確率で期待されます(20回のうちおおよそ19回は正しい)。
なお、標準誤差率は、以下の式で計算されています。
非標本誤差率とそれに関する研究分析
非標本誤差には、非回答誤差、カバレッジ誤差、データ処理による誤差、調査員や委託先の質による誤差、回答者の
誤りによる誤差などがあり、調査の過程において介在する人間が多くなれば、それだけ非標本誤差も大きくなります。
このような誤差は、標本誤差と違って、どの程度の誤差が発生しているのか、数字で評価することができません。
したがって、調査の設計の際には細心の注意を払って、なるべく起こらないようにすべきです。例えば回答者の回答誤りに
ついては、誤解が生じにくいように調査票を設計するなどの工夫が必要です
非回答誤差とそれに関する研究分析
調査では、集計対象となる調査項目についてはすべて回答してもらうのが原則ですが、対象者のミスや回答しづらいもの、
あるいは 意図的に回答を拒否するものなどがあり、必ずしも調査項目がすべて回答されているわけではありません。この
ような回答漏れによる誤差を「非回答誤差」といい、事前の調査票の工夫や記入要領による丁寧な説明など、また提出後には
非回答部分の電話による照会などの方法で、できるだけ減らすように努めなければなりません。
自動車輸送統計調査では、非回答を減らすために、次のような方法をとっています。
1.記入要領での説明
記入要領では、できるだけ回答漏れをなくすために、実際の調査票の上に記入が必要な部分(項目)を着色し、さらに
注意喚起を促す内容については吹き出しを利用して、これも別の色でカラー化しました。
2.電話によるフォロー
回収後に調査票を目視して記入漏れや記入ミスを発見した場合には、対象者に電話で照会を行い、再回答をお願いしました。
データ処理による誤差とこれを減じるための対応
非標本誤差のうち、調査票の回答内容を電子化して、これらを集計するまでの段階で発生する「データ処理による誤差」
があります。このうち代表的な誤差は、データを電子化(入力)する際に入力する人間が介在するため、この段階で入力ミス
などのヒューマンエラーが発生する可能性があります。
自動車輸送統計調査では、調査票情報の電子化作業は外部委託しており、データエントリー作業ではベリファイでの
データ入力を実施しています。また、集計システムにおいて簡易なエラーチェック(コード番号チェックなど)を実施するなど、
データ処理の正確性に努めています。
カバレッジ誤差の発生要因
調査では調べる対象となる「母集団」(これを「目標母集団」といいます。)があり、この母集団情報に基づく名簿(これを
「枠母集団」又は「標本抽出枠」といいます。)から事業所等を選定して調査を行いますが、名簿の更新時期等のズレから、
目標母集団と枠母集団が必ずしも一致しているとは限らず、それによって生じる誤差を「カバレッジ誤差」といいます。
自動車輸送統計調査では、自動車運送事業所台帳データと自動車登録ファイル(車検データ)に登録されている事業所と
自動車を母集団として用いています。このため、既に廃車となっている車両が調査対象として抽出され、調査の対象となった
場合には、抹消登録をしているか御確認をお願いいたします。また、抹消登録が済んでいる場合には、調査票の第1頁の余白に
「該当車両なし」とご記入の上、同封の返送封筒にて返送していただきますようお願いいたします。
測定誤差の説明
もともと測定誤差とは、自然科学の分野で、ものの大きさや重さなどを測定する際に発生する誤差のことで、その原因は
測定機器の 不完全さ、測定者の能力による違い、測定条件の変動などによるものです。
調査の分野でも、測定機器に相当する調査票のデザインや言葉遣いによって回答者が質問を誤解したり懸念したりして
事実と異なる記入をした場合の誤差、測定者である調査員の面接の拙さや委託先の質による誤差、測定条件である調査
方法(郵送調査か調査員調査かなど)による誤差など様々な測定誤差があります。
自動車輸送統計調査では、調査票作成要領等の充実を行い、これらの測定誤差をできるだけ減らすよう努めています。
地方運輸局の区分
輸送実績は、当該登録自動車及び軽自動車並びに事業所の属する都道府県を管轄する地方運輸局別に区分しました。
なお、平成14年7月より地方運輸局再編に伴い、地方運輸局の区分を変更しました。
平成14年6月以前
北海道 … 北海道
東 北 … 青森県、岩手県、宮城県、福島県
関 東 … 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
新 潟 … 秋田県、山形県、新潟県、長野県
中 部 … 富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近 畿 … 滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県
中 国 … 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四 国 … 徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九 州 … 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
平成14年7月以降
北海道 … 北海道
東 北 … 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関 東 … 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
北陸信越 … 新潟県、富山県、石川県、長野県
中 部 … 福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近 畿 … 滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県
中 国 … 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四 国 … 徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九 州 … 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県