国土交通省
 2002年の我が国のクルーズ等の動向について
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平成15年10月20日
<問い合わせ先>
海事局外航課

(内線43352、43354)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 ポイント


2002年の我が国のクルーズ等の動向について(本文)

  1. 我が国のクルーズ人口について
     2002年の我が国のクルーズ人口*は、約17万であり、このうち、外航クルーズ乗客数は約9万3千人(対前年比19.0%減)、内航クルーズ乗客数は約7万5千人(同11.2%減)であった。2001年10月の日本発着とする定期クルーズを行っていた外国クルーズ船社の撤退により前年に比べ15.7%減少した。しかし、外航クルーズについては日本発着とする定期クルーズがなかった1999年から比べると約7万1千人から約9万3千人と約1.3倍となっており、欧米諸国に比べると伸び悩んでいるが、定期クルーズがなくなっても以前のレベルに戻らなかったことから、クルーズが旅行の一形態として定着しつつある傾向が見受けられる。(図表−1参照)

  2. 外航クル−ズの動向について
     2002年の外航クルーズ乗客数は、10万人の大台にわずか届かず、減少(対前年比19.0%減(前出))した。この減少は、2001年10月の外国クルーズ船社の撤退による日本を発着とする定期クルーズの中止による影響が大きく、この影響を除けばクルーズ人口は増加傾向が見受けられる。
     日本船社が運航する日本籍外航クルーズ船(別紙1参照)については、年途中で1隻が減少し5隻から4隻になったにもかかわらず、利用者数は約1万8,600人で前年より微増したことから、1隻当たりの乗船者数は増加した。これは、レジャークルーズを中心に行う会社の他にチャーターを専門とする再編成を行ったための効果も一因として考えられる。
     一方、外国船社運航船(日本船社支配外国船を含む)については、利用者は約7万5千人(同22.8%減)と減少した。(図表−1参照)。ただし、日本発着とする定期クルーズがなかった3年前の1999年から比べると約4万8千人から約7万5千人と約1.6倍となっており、日本人のクルーズ人口の伸びを示しているおり、また、通常海外パック旅行に組み込まれているバルト海2泊以下のものを除いて考えても、1999年と比べ約2万人から約4万7千人と約2.3倍の伸びを示している。なお、外国船社運航船の大半が日本に寄港していないものであることから、フライ&クルーズが着実に伸びていることが見受けられる。
     また、フライ&クルーズと日本発着クルーズを合わせた外航クルーズ全体の人泊数については、本年は世界一周クルーズを行った船舶が延べ7隻含まれているが、バルト海の2泊以下を除いた約4万7千人のうち3泊から7泊程度の短期クルーズ客が外国船社運航船の過半数と大きな割合を占めたことを受け、平均泊数は前年の5.0泊から4.8泊になったこと等の理由により、約44万9千人・泊(前年比22.1%減)と減少した。(図表−4参照)

    •  目的別に見ると、外航クルーズにおいては、レジャー目的の船客のシェアは変化がなかったがその一方で、セミナーは微増、団体旅行は約倍増したもののインセンティブ(販売促進のため販売店等を対象に行う招待または格安旅行)のシェアは皆無となった。個人による観光目的のレジャークルーズは、2002年はクルーズ利用者の89.7%に達し、我が国外航クルーズの利用主体が、企業や団体から個人にシフトしている傾向が定着した。(図表−2参照)。なお、クルーズエリアについては、乗客数で見ると、バルト海2泊以下を除くと依然とアジアが大きなシェアを占めているが、リバークルーズが(特に中国三峡下りの他ヨーロッパ及びロシア)が大幅に増加し、北米・アラスカ・メキシコ、カリブ海及び地中海・エーゲ海など主要地域も増加傾向にある。(図表−6参照)

  3. 国内クル−ズの動向について
     内航クルーズ乗客数は、約7万5千人と減少(対前年比11.2%減(前出))した。この減少は、外航クルーズ船社が運航する隻数が1隻減少したことと、内航フェリーによる国内クルーズが代替船の減少・RORO船化等により定期運航以外のクルーズが減少しているためと考えられる。
     内航クルーズの泊数別利用者数(2001年より調査開始)については、1〜3泊以下が全体の約80%を占め、約18万8千人・泊となり、平均泊数は2.5泊となった。
     これは景気低迷等により全体として長期間のものから短期間のものに移行していることが考えられる。泊数別の割合としては、7泊以下のクルーズで約92%を占めている。(図表−5参照)。
     また、日本の外航クルーズ船社が運航する内航クルーズの人泊数については、約18万6千人・泊となり、前年に比べて約31.2%の減少となった。平均泊数も3.3泊から2.5泊に減少した(図表−5ー2参照)。これは、年途中で実質1隻が減少し5隻から4隻になった影響が出ていると見受けられるが、船舶が減少した割には乗客数の落ち込みがなかったことから、乗船率は向上していると思われる。
     内航クルーズの目的についても、レジャーが約67%を占め、そのうちワンナイトによる利用が約20%となっている。一方、インセンティブ、団体旅行、セミナー等の比率は概ね10%程度となっている。(図表−3参照)。

  4. 外航旅客定期航路について
     日本発着の外航旅客定期航路(平成14年末現在16社15航路が運航。別紙2参照)を利用した日本人客数は、約37万5千人と前年に比べ23.5%増加した(図表−7参照)。これは韓国航路に就航する高速船が増えたことにより、同航路の利用者が、順調に増加したことによるものと考えられる。(対前年比23.7%増)

    以上

    この資料は、1986年以来毎年我が国のクルーズ等の動向*について統計的にとりまとめているものです。

    *調査方法:
    我が国クルーズ船社、外国クルーズ船社代理店及びクルーズを含む海外旅行を取り扱う旅行会社(合計153社)を対象としてアンケート調査(回答数120社。回答率約78%)を行っているものである。なお、本年度より調査対象について28社追加を行っている。

    *クルーズ人口:
    外航クルーズと内航クルーズ合わせた日本人乗客数。船内1泊以上を対象とし、日帰りクルーズを除く。内航クルーズ乗客数は、日本籍外航クルーズ船による内航クルーズの乗客数に97年より内航フェリーによるクルーズの乗客数を含めている。


参考 クルーズ等に関連する諸施策等についてPDF形式
2002年の我が国クルーズ等の動向について 資料編PDF形式
別紙1 我が国における外航クル−ズ船一覧PDF形式
別紙2 外航旅客定期航路事業運航状況PDF形式

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