- 基本的考え方
- (1)
- 航空障害灯等の設置基準に係る規制緩和の検討に当たっては、諸外国の基準類を参考にしつつ、VFR(有視界飛行方式)機の飛行実態、地域特性を考慮するとともに、近年の都市再開発や都心高度化に伴う高層物件の増加、群立化の進展に応じた基準を導入すべきである。
- (2)
- 方向性の検討はもとより、今後の基準改正・策定に当たっては、運航の安全確保を大前提として、運航者の意見も十分尊重し、反映すべきである。
- 検討結果
ビル及び景観関係者より規制緩和要望のヒヤリングを行うとともに、運航者へのアンケート調査を行った(別添1)(PDF形式)。これらを基に、今後の航空障害灯等の規制のあり方について検討を行ってきたところ、現時点までの検討結果は以下のとおりである。
(1)都市部のビル群等に適用可能な新たな基準(PDF形式)
ICAO(国連の専門機関である国際民間航空機関)及び欧米諸国で規定のある「大規模物件/群立物件」の概念によりビル群等への障害灯設置個数を削減(全ての障害灯が不要となるケースもあり得る) |
- わが国でも大都市部のビル群等を一体の巨大な構造物として捉え得るものもあり得るが、この場合、近傍の障害灯による代替効果等を勘案し、個数を一部削減しても当該ビル群の視認性に大きな影響はない。
- また、特に群立化が進展した地域内部にあって周囲をより高い物件で取り囲まれるビルについては、全ての障害灯が不要となり得る。
中光度赤色障害灯(明滅光)が設置されたビルの近傍にあり、一定の要件を満たすより低いビルについては設置簡素化。結果として、高層ビル群では、中光度赤色障害灯の設置箇所が群の突出部や外周部等必要最小限となる |
- 運航者にとって中光度赤色障害灯は、その光度と明滅効果による高い誘目性から十分遠方での視認が可能であり、所要の回避行動を早期に開始し得る。
- 中光度赤色障害灯が設置されたビルの近傍で、当該ビルより地上高が低く、かつ遠方からのその視認を妨げない等の要件を満たすビルについては、設置簡素化(中光度赤色障害灯を低光度灯に代え、かつ頂部等に設置)しても支障ない。
- また、特に新宿等の高層ビル群は遠方から一群として見えることから、中光度赤色障害灯を群として認識可能な必要最小限の箇所に限定(群の突出部、外周部等)されても、早期発見、危険度認識等に大きな影響はない。
100cd(カンデラ)低光度灯の水平方向の設置間隔を拡大 |
- 100cd低光度灯(平成13年導入)については、視認できる距離が従来の低光度灯より大きいことから、水平方向の設置間隔(現行45m以下)を拡大しても支障ない。
(2)昼間障害標識(赤と白の交互に塗色したもの)の設置に対する緩和(PDF形式)
大きく太い煙突等、ある程度の実幅がある物件で、かつ塗色等も航空機からの視認性が得られると認められる場合は、昼間障害標識の設置が不要 |
白色閃光灯(ストロボライト)が設置された物件の周辺物件に対し、昼間障害標識を設置する必要がない範囲を夜間における航空障害灯と同等の範囲まで拡大 |
- 運航者にとって白色閃光灯は昼間障害標識より視認性が高く、かつ高い誘目性を有することから効果的であり、昼間障害標識に代えて設置されることが望ましい。
- 白色閃光灯の特性を勘案した場合、昼間障害標識を設置する必要がない範囲を夜間における障害灯と同等の範囲まで拡大しても支障ない。
(3)ライトアップ等による代替措置(PDF形式)
- 国際標準上に規定はないが、米国等代替を認めている国も存在。
- ライトアップ時に背景との十分な明るさの差(輝度対比)が確保され、かつ、頂部を含む全容が示される場合は、これを障害灯の代替手段としても支障ない。ただし、ライトアップ等は通常深夜以降消灯されるため、一時的代替措置とすべき(米国でも同様)。
- 導入課題
措置の具体化に当たっては、ライトアップ等による代替や昼間障害標識の設置を不要とする措置等、判断に必要となる数値基準や条件について、更に専門家の検討が必要。
【参考資料】
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