平成17年12月14日 |
<問い合わせ先> |
○インターネットモニターに関すること |
大臣官房広報課 |
03-5253-8111(内線21574) |
○調査結果に関すること |
海上保安庁総務部政務課 |
政策評価広報室 |
03-3591-6361(内線2202)
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※E-mailでのお問い合わせは kocho-1@mlit.go.jp まで。
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国土交通省では、今後どのように海上保安庁の政策・広報活動を進めていくべきか、今後の参考にさせていただくため、平成17年9月に国土交通行政インターネットモニターに対してアンケート調査「海の安全と海洋権益の保全について-海上保安庁の役割-」を実施し、662名(男性338名、女性324名)の20歳代から70歳代までの幅広い年齢層にわたる方々から回答をいただきました。その結果を公表します。
- 対象者:平成17年度国土交通行政インターネットモニター791名
- 回答率:84%(662名)
- 実施期間:平成17年9月16日〜29日
今回の調査では、全国のモニターの皆様から貴重なご意見・ご提言を数多くいただきました。
いただいたご意見からは、多くの方が海に対して不安を感じておられ、海上保安庁に対しては、海上におけるテロ対策など治安の確保や海洋権益の保全のための的確な対応を期待されていることが分かりました。
一方で、海上保安庁を全くあるいは名前程度しかご存じなかった方が過半数に及び、「海上保安庁のPRが不十分」であり、国民にとって海上保安庁自体が「見えにくい」、「よく分からない」といったご意見もいただきました。
今回、皆様からいただいたご意見、ご提言につきましては、今後、海上保安庁の政策・広報活動についての検討を進めていくにあたって参考とさせていただきたいと考えております。
※アンケート調査の結果についての詳細は、こちらをご覧下さい。
国土交通行政インターネットモニター(平成17年9月実施)
「海の安全と海洋権益の保全について-海上保安庁の役割-」の結果について
国土交通行政インターネットモニターとは、広く全国の老若男女の皆様から、国土交通行政の課題に関しインターネットを利用して質の高いご意見・ご要望等をお聴きし、今後の国土交通行政の施策展開の参考とすることを目的として、平成16年度から実施している制度です。
詳しくは、https://www.monitor.mlit.go.jp/まで。
<はじめに>
四面を海に囲まれた島国である我が国は、物流や人の往来、豊かな海洋資源の開発など、国民生活や経済活動の基盤として、幅広く「海」を利用し、利便性を享受してきました。その一方で海を舞台にした犯罪は、この海の利便性のみならず私たちの生活基盤すら脅かしています。さらに、近年では不審船の出現や臨海部にある重要施設、港湾、危険物積載船に対するテロは我が国の治安を根底から揺るがす脅威となっています。また、東シナ海のガス田の開発や我が国最南端の沖ノ鳥島をめぐって海洋権益に関する世論の関心も大きく高まってきています。
これら海を取り巻く様々な事案に対して、海の安全と安心を守るため、治安の維持、海上交通の安全確保、海難の救助、海上防災・海洋環境の保全の4つの分野とこれを実現するための国内外関係機関との連携・協力を使命とする海上保安庁に対する期待は一層高まっているところです。
国民の皆様が海上保安庁について、どのようなことに注目し、期待するのか、率直なご意見を伺い、今後の海上保安庁の業務の取り組みの参考とさせていただくため、このたび「海の安全と海洋権益の保全について−海上保安庁の役割−」と題してアンケート調査を実施しました。(アンケート内容はこちら(PDF形式)をご覧ください。)
その結果の概要は、以下の通りです。
<アンケートの概要>
- 対象者 :国土交通行政インターネットモニター791名
- 回答率 :84%(662名)
※ 回答者の属性については、こちら(PDF形式)をご覧ください。
- 実施期間:平成17年9月16日(金)〜29日(木)
<アンケート結果の概要>
※ 個々のアンケート調査の結果については、それぞれの問毎の参考図表をご覧下さい。また、各グラフ・数表の見方については、こちら(PDF形式)をご覧下さい。
海に対する関わり方(問1) 参考図表(PDF形式)
マリンレジャーの内容(問2) 参考図表(PDF形式)
- 多数の方が海に何らかの形で関わる一方、海とは全く関係の無いと回答された方が22.2%と回答者の5人に1人を数えました。
- マリンレジャーの内容については、大多数の方が「海水浴」または「釣り」を回答されました。
マリンレジャー時の救命胴衣着用の有無(問3) 参考図表(PDF形式)
救命胴衣を着用しなかった理由(問4) 参考図表(PDF形式)
- 残念ながら、過半数の方がマリンレジャーの際に救命胴衣を未着用であり、その主な理由が「必要性を感じにくいから」ということが分かりました。また、20歳代の過半数の方が、「値段が高いから」と回答されました。
- 年代別では特に20歳代・30歳代の方の未着用率が高く、30歳代の方でマリンレジャー時に救命胴衣を常に着用している方は10.3%と平均値のおよそ半分という低さでした。
- 「その他」の理由の中には、「販売店がよく分からない」「特にみんながつけていなかったので、そうゆうものかと思ったので」「釣り道具屋で販売しているのを殆んど見ない」などの意見がありました。
海に対して不安を感じることがあるか(問5) 参考図表(PDF形式)
海に対して感じる不安の要因(問6) 参考図表(PDF形式)
- 「大いに感じている」と「どちらかといえば感じている」をあわせると、全体では約66%の方が海に対する不安を感じているという回答をされました。
- 海に対して感じる不安の要因としては、自然災害、不審船・工作船に対する不安をあげる方が多く、それぞれ回答者の6割に及びました。また、海洋環境に関する不安を感じる方も過半数に及びました。
- また、海上におけるテロ、海賊等については、自然災害と比べると不安に感じている方が少ないことが分かりました。
海上保安庁の認知度(問7) 参考図表(PDF形式)
問7で「知らない」と回答された方が考えていた、海上保安業務の実施主体(問8) 参考図表(PDF形式)
- 認知度については、全体の約97%の方が名前は聞いたことがあるものの、業務内容についてまで理解されている方は半数以下の約45%にとどまりました。
- 特に、年代が若くなるにつれて、業務についても知っている方の割合が減少し、20歳代では30%に満たない値となりました。
- 一方、海上保安庁を「知らない」と回答した方は全体の約3%で、特に海上自衛隊と混同されていた方が63.2%に達していました。
海上保安庁との関わり方(問9) 参考図表(PDF形式)
- 海上保安庁を知っている方でも、海上保安庁と「全く関わりはない」方が過半数であることが分かりました。
- 一方、海上保安庁との関わり方として、もっとも大きな要因がホームページによる情報提供であることが分かりました。
海上保安官に対する好感度・イメージ(問10、11、13) 参考図表(PDF形式)
- 全体で約62%の方が海上保安官に対し好感を持っていることが分かりました。海上保安官に対するイメージも、「厳しい規律」や「危険な仕事」、「海の警察」といった現場の業務に対する理解やねぎらいのコメントが多く見られました。ただし、この結果においても、年代が若くなるほど好感度は減少し、20歳代では「大変好感を持っている」、「好感を持っている」をあわせても約41%にとどまっていた。
- 「好感を持てない」と応えた方に多くみられた意見としては、「活動内容がよく分からないので、身近に感じられない」というものでした。
(コメントの例)
- 海の警察官。今までは身近に感じられなかったが、映画やドラマ化され、身近に感じるようになった。海難事故が起きた際に、素早い対応でかけつけてくれるカッコイイ存在。(広島県 事務職 女性 23才)
- 海での遭難者を、勇気を持って救助する場面、密漁船・不審船などへの警戒・取締りなども報道等でよく目にする。非常に困難で危険の伴う任務を懸命に遂行していることに敬意を持っている。(大阪府 自営業主・家族従事者 男性 41才)
- 厳しくて危険な仕事だと思いますが、これからは必要性が増すと思うので頑張ってほしいです。(大阪府 事務職 女性 52才)
- 危険と隣り合わせにありながら、しっかりとした使命感を持って勤務をしてくれているイメージがあります。(埼玉県 主婦 女性 28才)
- 日本の海の治安を担当している。厳しい現場で苦労しており、感謝している。まだまだ不十分であるが映画、TV等の「海猿」である程度理解されたと思う。(愛知県 無職 男性 63才)
- 「海の番人」: 海洋国日本における海に関する国事や必要な業務を分担する公務員。とはいえ 日常的に国民と接する機会が少ない役職の一つ。(香川県 管理・専門技術職 男性 54才)
- 海上保安庁が国土交通省に所属するもの、と言うのは今回認識を新たにした。(千葉県 無職男性 61才)
- とても必要な機関、だと思う。しかし活動内容の全容がわからないのと、海上自衛隊と活動が混同してしまう。(新潟県 販売・サービス・労務職 男性 31才)
- 常日頃、どんな仕事をされているか、表に出てこないので、良くわからない。(千葉県 主婦 女性 49才)
- 活動内容がよくわかっていないし、身近に感じられない。(神奈川県 主婦 女性 41才)
- どちらかと言うと、警察官のような親しみやすさは感じられない。(宮城県 管理・専門技術職 男性 44才)
海上保安業務の認知度(問12) 参考図表(PDF形式)
- 海上保安庁の業務内容としてもっとも認知度が高かったのは領海警備業務で、約82%の方に認識されていました。その他、「密漁・外国漁船の不法操業の取締」、「海難救助」、「密輸・密航取締」、「不審船・工作船対策」と近年マスコミ等に取り上げられることの多かった業務が上位を占めていました。
- 全般的に、法秩序の維持に関する業務と、人命救助の認知度が高く、海上交通安全や情報提供関連の業務の認知度が低くなるという傾向になりました。
日本の海洋権益と聞いて連想する問題(問14、15) 参考図表(PDF形式)
- 約46%の方がエネルギー資源開発問題を海洋権益のイメージとして取り上げていました。
- 回答数で比較すると、領土・領海画定に関する問題よりも、資源問題をイメージする方が多いことが分かりました。
国の海洋権益保全対策に対する評価(問16) 参考図表(PDF形式)
- 国の海洋権益保全対策については、全般的に厳しい評価であり、「不十分」又は「対策を講じているとは言えない」とした方が、全体の約58%を占めていました。
- 年代が若い方ほど評価が高い一方、「わからない」、「無回答」も多い結果となっており、海洋権益問題に対する関心が相対的に低いことが分かりました。
海洋権益保全について国が果たすべき役割(問17)
- 多くの方が、国に対して、海洋権益の保全に毅然とした態度で取り組むことと、積極的な国民への説明や情報提供を求めていることがわかりました。
(コメントの例)
- もっと積極的に権利を主張すべきだと思います。マスコミの情報に偏ってしまいますが、見ていて、中国など他の国の策略にはまっているような気がします。(香川県 無職 女性 21才)
- 尖閣諸島海域ではもっとパトロールを強化すべきである。(愛媛県 無職 男性 58才)
- 政府・海保・防衛庁・外務省(・マスコミ)が一丸となって、さらに対策を強化すべき。(山口県 管理・専門技術職 男性 45才)
- 外国漁船の不法操業の取締りなどそもそも何度もこの様な取締りをしなければならないのは日本の取締りが弱いから何回も起きていると思う。もう少し厳しく取締ったほうがいいと思う。(北海道 無職 男性 20才)
- 竹島・北方領土問題をきちんと解決してほしいです。わが国の漁業に影響を与えていると思います。また、子供たちに竹島問題について聞かれてもきちんと説明できませんでした。どうなのか、真実を知りたいものです。(石川県 主婦 女性 39才)
- 沖ノ鳥島問題など、現場レベルでは対応できない問題は、政府レベルできちんと処理すべきだと思います。多くの国民は沖ノ鳥島の存在意義などを理解しておらず、日本の領海における問題点を正しく国民に知らせる義務が政府にはあると思います。(福岡県 管理・専門技術職 女性 47才)
海上保安庁の体制強化にあたって重点的に取り組むべき点(問18) 参考図表(PDF形式)
- 「衛星や船舶自動識別装置の活用など情報収集体制の充実」、「巡視船艇・航空機などの装備の刷新・増強」を合わせると約57%であり、装備の充実や活用を求める方が多いことが分かりました。
プレジャーボートに対する安全指導・立入検査のあり方について(問19) 参考図表(PDF形式)
- 全体で約7割以上の方が積極的な安全指導・立入検査について推進すべきとの意見でした。
- 大規模海難を生じさせないようなものにまで、安全指導・立入検査を実施することに対する非効率性を指摘された方が、70歳代と20歳代で、他の年代の平均のおよそ倍の約18%に達しました。
118番の認知度について(問20) 参考図表(PDF形式)
- 全体の過半数、約51%の方に118番が認知されていないという結果になりました。
- 年代が若くなるに従って、118番の認知度が低くなる傾向が見られました。
118番に関する情報を何から得たか(問21) 参考図表(PDF形式)
- 各年代ともに広報関連ポスターによって知ったという方が多く、全体の約29%を占めていました。
- 各年代ともに多い「その他」はテレビのニュース、新聞記事がそのほとんどを占めていました。
海上保安庁に期待する分野(問22、23) 参考図表(PDF形式)
- 業務に対する認知度と同様、法秩序の維持と、人命救助への期待が高いことが分かりました。
具体的に海上保安庁に期待すること(問24)
- 多くの方が、海上保安庁に対して、海上における治安の確保と海洋権益の保全のための的確な対応を期待されていることが分かりました。また、自衛隊ではなく警察機関であるという海上保安庁の特色を生かした活躍を期待されているご意見もいただきました。
(コメントの例)
- (海上における治安の確保に対するご意見として、)線が明確に水上に引かれているぐらいの認識でさまざまな侵害に対処して欲しい。(兵庫県 管理・専門技術職 女性 27才)
- 具体的な意見はありませんが、安心して生活できるようにテロ対策をしっかりとしていただきたいと思います。(神奈川県 事務職 女性 28才)
- (海洋権益の保全に対するご意見として、)あらゆるケースを想定して、日頃から訓練を徹底して行ってもらいたい。(宮城県 主婦 女性 44才)
- 四方を海に囲まれた海洋国日本の海上における治安の確保は我々の日常生活に直結する犯罪抑止の一つであると考えます。近年の不審船対応や領土問題・洋上資源問題の対応についても法律があるとはいえ自衛隊出動では大きな政治問題に発展するのは必死であります。しかし、海上保安庁の対応であれば現場での苦労は別にしてワンクッション柔らかな対応のように見えます。石垣島で見た巡視船の装備を見ると大国・中国も含めた問題海域での緊張を感じ取る事ができます。(大阪府 販売・サービス・労務職 男性 57才)
- 海上保安庁の人命救助のニュースを聞くと、国民のためにがんばってくれているんだなと、海上保安庁に対して非常に好意的な気持ちになります。(広島県 事務職 女性 41才)
- 解決の難しい、他国間調整等については気長にいくとして、「海上保安庁」の存在価値を国民や他国に誇示するためにも、ぜひ海洋環境に力をいれて、他国の模範となる施策を展開していただきたい。(香川県 管理・専門技術職 男性 54才)
海上保安レポートについて(問25〜問31) 参考図表(PDF形式)
- 海上保安レポートを全く知らなかった方が、約72%に上る一方、非常に少数ながら毎年読んでいる方もおられました。
- 実際に海上保安レポートを読んだことのある方の購入の目的は、最近の海洋を巡る社会問題についての理解を深めたいとの回答が最も多く約46%に及び、この傾向は年代が高いほど顕著でした。
- 海上保安レポート2005の記事の内容についても、最近の海洋を巡る社会問題に関する記事に興味を持つ方が多いことが分かりました。
(コメントの例)
- 自然災害、海上事故、領海侵犯等危険の中大活躍している割には、国民に対するPRが不足だ。報道機関を利用したPRが必要だと思う。(北海道 無職 男性 60才)
- 海上保安庁が行っている各分野で、具体的にどのようなことを、どの程度費用を掛ければ、新しいことができるのか示して欲しい。(埼玉県 管理・専門技術職 男性 43才)
- インターネットはほとんどの家庭にも普及していますし、もしインターネットがない家庭にはチラシ広告のような形の報告や新聞に載せるようなこともできると思います。是非いろんな形で国民に情報発信して欲しいです。(北海道 無職 男性 20才)
- 海上保安庁が国土交通省の組織の一つだと初めてしりました。最近のドラマを通じ、海上保安庁の仕事を認識しました。警察や自衛隊等に比べ認知度が低いと思います。もっとPRしても良いと思います。仕事内容や、ジレンマを国民に発信して、理解を得ることが今後の活動に繋がるのではないでしょうか。(福岡県 事務職 女性 42才)
- 関心度の高い「海洋権益の保全とテロ対策」「自然災害・事故災害への対策」等の項目は、海上保安白書・海上保安レポートでの発表だけでは、冊子入手者が限定されるため、情報発信しているとは思えません。せっかくの有意義な情報なので、今後は新聞・TV等でも広報し、積極的に情報を発信すべきだと思います。(徳島県 自営業主・家族従事者 男性 31才)
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<おわりに>
今回の調査では、全国のモニターの皆様から貴重なご意見・ご提言を数多くいただきました。
いただいたご意見からは、多くの方が海に対して不安を感じておられ、海上保安庁に対しては、海上におけるテロ対策など治安の確保や海洋権益の保全のための的確な対応を期待されていることが分かりました。
一方で、海上保安庁を全くあるいは名前程度しかご存じなかった方が過半数に及び、「海上保安庁のPRが不十分」であり、国民にとって海上保安庁自体が「見えにくい」、「よく分からない」といったご意見もいただきました。
今回、皆様からいただいたご意見、ご提言につきましては、今後、海上保安庁の政策・広報活動についての検討を進めていくにあたって参考とさせていただきたいと考えております。
ご協力ありがとうございました。
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