地方航空路線活性化プラットフォーム

地方航空路線の維持・拡充を図るため、発地着地の地域が連携した取組の実証調査として、平成29年度から令和元年度まで実施した「地方航空路線活性化プラットフォーム」についてご紹介します。

五島福江=福岡路線の需要喚起・利用促進に向けた実証調査事業

今後に向けた取組

(1)教育文化交流による需要拡大

・2年目に、色々な分野、世代での教育文化交流が可能になるよう実施団体を広域化し、参加対象者の拡大を図って本実証調査に取り組むことができ、その結果から、継続可能性のあるターゲットが見えてきた。
・料金設定の面では、どうしても本土の他地域、また、五島であっても航路利用には劣るため、価格とは異なる点に価値を見出す対象をターゲットに設定する必要がある。また、そういったターゲットに如何にプログラムの実施を伝えていくかが重要なことが分かった。
・その点で、キャリア教育に熱心な学習塾生徒や、企業職員等が集まってくる大規模会議参加者を対象として、長崎県空港活性化推進協議会(長崎県、五島市)から五島プログラムへの参加を促すことで、継続性が高まると考えられる。

(2)生涯学習を通した交流による需要創出

・シニア層は、平日でも動きやすいため、繁忙期よりも閑散期対策としては有効なターゲットではあるが、1年目からの課題であった共通のテーマを持ったお互いに交流いただける団体を見つけ出すことができないため、「生涯学習による交流」として継続実施することは難しい。

(3)スポーツ合宿等による需要創出

・五島市では、スポーツ選手や愛好者が集い交流する島「スポーツ”愛”ランド」を目指しており、五島での合宿の強みとして、「美しい自然」「ロード練習に適した交通の少なさ」「地域住民の人柄と役所のサポート」などをPRし、より多くの方々に来島していただけるよう「スポーツ合宿誘致事業」に積極的に取り組んでいる。今後は、市の事業も活用しながら、航空機利用のメリットを理解するプロスポーツ(社会人)チームの合宿誘致に取り組みたい。

(4)経済交流による需要創出

・3年間の事業を通して、福岡県商工会連合会及び福岡商工会議所並びに五島市商工会及び福江商工会議所との連絡体制を構築することができたので、今後は事業計画に定めた各団体の役割のもと、各取組に取り組んでいきたい。
・再生エネルギーツアーについては、福江商工会議所及び五島市観光協会が連携し、継続している成功事案であり、今後は自走して取り組む。

(5)ビジネス利用拡大による需要創出

・3年間の事業を通して、ANAとの連携体制を構築することができたので、今後の展開においても、ORCが主体となって、ANAの協力を得ながら法人営業などを実施することができる。