航空

非常脱出時における適切な対応のお願い

航空局では、飛行機に搭乗される旅客の安全を確保するため、航空会社等に対して旅客に周知すべき安全情報を提供するよう求めているところです。

具体的には、シートベルトの着脱方法、ライフベストの配備場所・使用方法、酸素マスクの使用方法、手荷物の収納場所・方法、非常脱出時の注意点(乗務員の指示に従った脱出開始、手荷物の持ち出し禁止、ハイヒールを脱ぐこと、非常口の開放方法、脱出スライドの滑り方、脱出スライド下での援助者の確保や機体近辺からの速やかな離脱等)等の安全情報について、客室内の放送の他、安全のしおり、ビデオ放映、客室乗務員のデモンストレーションによって提供するよう求めています。

特に非常脱出に関しては、飛行機に搭乗される旅客の安全を確保するため、乗務員の指示に従って、迅速かつ安全に航空機から脱出して安全な場所まで避難することが重要です。


 


運輸安全委員会が平成29年12月までに公表した航空事故等調査報告書(約1,500件)のうち、14件で脱出スライドを使った非常脱出が行われており、うち13件で旅客が負傷している状況にあります。
また、国内で脱出スライドを使用した最近の下記事例でも旅客に多くの負傷者が発生しています。

  • 平成28年5月、東京国際空港にて離陸滑走中の旅客機のエンジンから火災が発生。滑走路上に停止後、非常脱出を行った際に乗客40名が軽傷を負った。
  • 平成28年2月、新千歳空港の誘導路上で停止していた旅客機の機内に異臭及び煙が発生。その後、エンジン後部で炎が確認されたため、非常脱出を行った際に乗客1名が重傷、乗客2名が軽傷を負った。
  • 平成25年1月、飛行中の旅客機にてバッテリーの不具合を示す計器表示とともに、操縦室内で異臭が発生。高松空港に緊急着陸し、誘導路上で非常脱出を行った際に乗客4名が軽傷を負った。

さらに、令和元年5月6日未明(日本時間)にモスクワの空港に緊急着陸した旅客機の炎上事故の際、脱出スライドによる非常脱出を行いましたが、多くの旅客が死傷しました。当該事故の原因については、関連機関が調査中ですが、非常脱出時に一部乗客が手荷物を持ち出して脱出したことによって他の乗客の脱出が遅れた可能性もあると報道されています。

・脱出スライド下等での援助をお願いします!

あなたの協力が、お客様みなさまを負傷から守ります

脱出スライドは、火災等の非常時に搭乗者の生命の安全を第一に確保するため迅速に脱出できることを最優先に設計されているため、脱出する際に場合によっては負傷する可能性がありますが、適切な脱出姿勢を取ることや脱出スライド下での援助者の協力が負傷を減少させることにつながります。

・何も持ち出さないで!

脱出の遅れや妨げ、ご自身や他のお客さまの負傷の原因となります

鋭利なかかとが脱出スライドを損傷させる原因となります

非常脱出時に手荷物を持ち出すことやハイヒールを履いたままの脱出は、ご自身の脱出の遅れや他の旅客の脱出の妨げになるほか、ご自身や他の旅客が負傷したり、脱出スライドが損傷し使用できなくなるおそれがあります。このため、乗務員の指示に従って、非常脱出時に手荷物を持ち出さず、ハイヒールを脱いで脱出していただきますようお願いいたします。

・非常時の備えをお願いいたします!

安全な非常脱出のために安全情報を十分にご確認ください

飛行機に搭乗されましたら、席に備え付けられた安全のしおり、安全ビデオ、客室乗務員によるデモンストレーションを十分にご確認のうえ、非常時の備えをお願いいたします。
また、援助者としてのご協力もよろしくお願いいたします。

搭乗者全員の安全を確保するためご理解いただき、適切な行動をよろしくお願いいたします。

お問い合わせ先

国土交通省航空局 安全部 航空事業安全室
電話 :(03) 5253-8111(内線50163)

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