航空

飛行中の突然の揺れに伴う負傷防止のためご留意いただきたいことについて

  飛行中の突然の揺れによる乗客・乗員の負傷事故については、航空会社において様々な対策が取られていますが、運輸安全委員会ダイジェスト第44号(2024年3月発行)によれば、我が国においても過去20年間(2004~2023年)で37件発生しており、乗客にも18名の重傷者(骨折等)の被害がありました。これには、着席中にもかかわらずシートベルトを締めていなかったり、シートベルトを締めていても着用方法が適切でなかったり、化粧室の利用中や通路の歩行中などの離席している状況等で発生しており、乗客の皆さまによる飛行中の突然の揺れに対する適切な理解と対応により被害を防止・軽減することが可能です。
 旅客機を利用する乗客の皆さまにおかれましては、航空会社の指示・案内に従うとともに、次の2点についてご理解・ご協力を頂きますようよろしくお願いいたします。

 

1.着席時には常時シートベルトを腰の低い位置で緩みのないように締めましょう。

 航空会社は、揺れが予想される空域を飛行する際には早めにシートベルト着用サインを点灯させますが、予測が困難な気流の乱れ(タービュランス)により突然機体が揺れる場合があります。このため、航空会社は、シートベルト着用サインの点灯の有無にかかわらず、着席中は常時シートベルトを適切に締めるようお願いしているところです。
 また、シートベルトを締めている場合であっても、締め方が緩いなど着用方法が適切でなかったことにより、縦揺れで身体が浮き上がって落下した際にしりもちをついて骨盤を強打するなどして負傷に至る事案が発生しています。
 このため、旅客機を利用する乗客の皆さまにおかれましては、シートベルト着用サインの点灯の有無にかかわらず、着席時は常時シートベルトを腰の低い位置で緩みのないよう締めるようご協力をお願いいたします。

(出典元:日本航空株式会社「シートベルトは常に着用をお願いします」)

2.離席する場合には突然の揺れに注意してご自身の安全確保を図りましょう。

 飛行中に化粧室の利用中や通路の歩行中などの離席している状況においても、予測が困難な気流の乱れ(タービュランス)により突然機体が揺れる場合があります。離席中にシートベルト着用サインが点灯した場合には速やかにご自身の座席に戻ってシートベルトを適切に締めるとともに、万一離席中に突然の揺れに遭遇した場合はお近くの座席ひじ掛け等につかまるなどして揺れに備えることでご自身の安全確保を図るようお願いいたします。

(出典元:全日本空輸株式会社「お客様の安全のため、お知らせしたいことがあります」*)
 *全日本空輸株式会社では、揺れに際しての対策として独自に動画を作成し、機内で流して啓発に利用しています。
 

(参考)飛行中の突然の揺れによる乗客・乗員の負傷事故の発生状況について

(1)我が国における発生状況

 上述の運輸安全委員会ダイジェスト第44号によれば、以下のグラフのとおり過去20年間(2004~2023年)で発生した37件において、乗客18名及び客室乗務員26名が重傷を負っています。
 重傷を負った乗客18名のうち、着席中に負傷したのは8名おり、このうちシートベルトを未着用だったのは3名、シートベルトを適切に締めていなかったのは2名だったとしており、着席中の適切なシートベルトの着用の重要性がわかります。

(2)世界における発生状況

 国際民間航空機関(ICAO)が毎年発行する安全報告書によれば、過去4年間(2019~2022年)における世界でのタービュランスによる航空事故の発生推移は以下のグラフのとおりであり、航空事故の中でもタービュランス起因によるものが多発している旨記載されています。
 
 (参考)ICAO Safety Report

お問い合わせ先

国土交通省航空局 安全部 航空安全推進室(航空事業安全監査室)
電話 :(03)5253-8111(内線 50163)

ページの先頭に戻る