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【<<前<<○ブロック計画の検討

(4)国土計画における指針性の充実

〇「計画、実施、評価」全過程一体での指針性向上

全国計画の指針性を高めるに当たっては、計画の策定にとどまらず、「計画、実施、評価」全過程一体での指針性を向上させる必要がある。このため、計画内容、計画策定過程及び計画評価方法の各側面で、以下の改善を行う。このような改善により、国土管理の基本計画としての全国計画の内容が実効あるものとなる。

第一に、計画内容については、その重点化を図るため、内容の記述基準等を定める。すなわち、国土計画の新たな理念に照らして効果の大きい事項に記述内容を重点化すること、施策の熟度に応じ、計画期間に実施するものと検討を進めるものの区別を明示すること、可能な限り施策実施主体を明示すること等の記述基準を定め、計画内容がいたずらに総花的となることを避ける一方、戦略的な構想を実現するための新たな措置を示すことなどにより、施策の重点、優先度等に関するメッセージを明確化する。また、計画内容の明確化を図るため、計画フレーム、目標、施策の基本方向等をできるだけ定量的に表現する。

第二に、計画策定過程については、その活性化、透明化を図るため、意見聴取や情報公開等の手続を明確化する。これまでも全総計画の策定に際し、都道府県知事等の意見を聴取するほか、一日国土審議会の開催等のように、国民各層の意見を聴取する試みがなされてきたが、今後は、全国計画策定時の地方公共団体からの意見聴取、計画実施過程における各方面からの継続的な意見聴取、広く国民の意見を求めるパブリックインボルブメント等の手続を明確化する。

第三に、計画評価については、評価指標等を充実し、計画評価のシステムを整備するほか、評価結果を計画実施過程等にフィードバックする仕組みを構築する。国土計画は長期にわたる計画であるため、計画策定後の実施段階における状況の点検はもとより、国土の現状や諸情勢の変化の中で、計画の内容の妥当性が失われていないか等を分析・評価し、それに基づき、以降の計画実施等を改善することが必要である。これまでも国土審議会の審議等を通じて全総計画の点検が行われてきたが、「計画、実施、評価」というマネジメント・サイクルの一環としての計画評価とそのフィードバックの仕組みを計画制度として明確化する。このため、3〜5年毎に全国計画等を総合的に評価し、その結果をいわゆる整備計画等、施策の方向をより具体的に示す計画に適切に反映させることを検討する。

計画評価は、国の各部局における施策の改善を促すだけでなく、地方公共団体等への指針ともなり、さらには行政の国民への説明責任を果たす役割も担うものである。したがって、計画評価の情報は、計画目標に対応した具体的で明確な評価基準に基づくこと等により、客観的かつ国民にわかりやすい形で示される必要がある。このため、国土管理の基本計画としての全国計画の性格に鑑み、個別施策の評価とは別に、行政分野を横断する総合的な分析・評価の枠組みを構築し、これに沿った国土計画独自の計画評価指標や評価手法を充実させる。また、計画評価の客観性を確保するための体制を整備し、評価過程に関する情報公開を徹底するなどにより、計画評価の信頼性を高める方途を検討する。

以上のような改善により、全国計画の実施手段である個別施策に対する指針性を高める。さらに、計画実施にとって特に重要な手段である国土基盤整備と土地利用について、以下のような検討が必要である。

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