国会等移転審議会答申(要旨)
平成11年12月20日
はじめに
審議会は、平成2年の国会決議、平成4年の「国会等の移転に関する法律」の制定を受け、平成8年の同法の一部改正により設置され、平成8年12月19日の内閣総理大臣からの諮問に応じ、約3年間、首都機能の移転先候補地について、31回に及ぶ調査審議を行った。
第1章 首都機能移転の歴史的意義
我が国は今、重大な歴史的転換期にさしかかっているが、首都機能移転は世紀を越えた長期的視点に立って構想すべき歴史的大事業である。
第2章 移転先候補地の選定
客観性と公正さを重視した「重みづけ手法」を用いて総合評価を行い、その結果をもとに、更に多面的、多角的な検討を加えて、移転先候補地の選定作業を行った。
- 移転先候補地として、北東地域の「栃木・福島地域」又は東海地域の「岐阜・愛知地域」を選定する。
- 「茨城地域」は、自然災害に対する安全性に優れる等の特徴を有しており、「栃木・福島地域」と連携し、これを支援、補完する役割が期待される。
「三重・畿央地域」は、他の地域にはない特徴を有しており、将来新たな高速交通網等が整備されることになれば、移転先候補地となる可能性がある。
- 移転先では、初期段階からその地域だけで首都機能の運営に十全を期することは容易ではなく、東京あるいは仙台、名古屋、大阪、京都等の大都市との広域的な連携はもちろん、同じ調査対象地域内の他の地域との連携が必要である
第3章 首都機能の移転先となる新都市の在り方
- 新しい情報ネットワークシステムの構築
- 環境への配慮
- 国際政治都市としての機能の確保
- 風格ある景観の形成
第4章 首都機能移転の意義・効果等
- 国政全般の改革
- 東京一極集中の是正
- 災害対応力の強化
第5章 移転先候補地において配慮すべき事項
- 投機的な土地取引を防止するため、万全の対策を速やかに講じるよう強く要請する。
- 関係地方公共団体には、応分の責任を果たされることを要請する。
おわりに
- この答申を機に、首都機能移転について国民の間で理解と論議が進み、広範な合意形成が行われることを期待。
- 国会において大局的な観点から検討し、内外の批判に耐え得る適切な結論を速やかに導かれるよう切望。
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