下表は、諸外国(10カ国)の首都機能都市及び主要都市の人口集中度について整理したものである。
この表から、その国の文化の拠点的な都市と考えられる都市(下表で○の都市)では人口の集積がみられていることがわかる。オーストラリア等文化の中心となっている都市の人口の方が首都の人口よりも多い国も数多い。
新都市の人口は最大約60万人と想定されており、これは現在でいえば全国の1%の人口にみたない。こうしたことから、新都市の文化が、現在の東京が全国に与えているような、一律的な影響をおよぼすことは予想しずらい。
むしろ新都市の登場によって、東京とは異なるモデルができること、地方が収集する情報がよりバラエティに富んだものになること等から、文化の多様性が生じることに意義があると考える。
| 都市名 | 都市規模(人) | 対全国比率(%) |
|---|---|---|
| ○ ニューヨーク(アメリカ) | 7,333,253 | 2.6% |
| ○ ロスアンジェルス(アメリカ) | 3,448,613 | 1.3% |
| ◎ ワシントンD.C.(アメリカ) | 567,094 | 0.2% |
| ◎○ ロンドン(イギリス) | 7,007,091 | 11.9% |
| バーミンガム(イギリス) | 1,017,458 | 1.7% |
| ○ シドニー(オーストラリア) |
3,713,500 | 20.3% |
| ◎ キャンベラ(オーストラリア) | 298,200 | 1.6% |
| ハーグ(オランダ) |
442,720 | 2.9% |
| ◎ アムステルダム(オランダ) | 720,175 | 4.7% |
| ◎ オタワ(カナダ) | 313,987 | 1.1% |
| ○ モントリオール(カナダ) | 1,017,666 | 3.4% |
| トロント(カナダ) | 635,395 | 2.1% |
| チューリッヒ(スイス) |
343,213 | 54.9% |
| ○ ジュネーブ(スイス) | 173,041 | 2.4% |
| ◎ ベルン(スイス) | 128,872 | 1.8% |
| ローザンヌ(スイス) | 116,278 | 1.6% |
| ◎ ベルリン(ドイツ) | 3,471,418 | 4.2% |
| ミュンヘン(ドイツ) | 1,236,370 | 1.5% |
| ボン(ドイツ) | 291,431 | 0.4% |
| ◎○ パリ(フランス) |
2,152,329 | 3.7% |
| マルセイユ(フランス) | 800,309 | 1.4% |
| ニース(フランス) | 342,903 | 0.6% |
| サンパウロ(ブラジル) | 10,017,821 | 6.3% |
| ○ リオデジャネイロ(ブラジル) | 5,606,497 | 3.8% |
| ◎ ブラジリア(ブラジル) | 1,737,813 | 1.1% |
| ○ アントワープ(ベルギー) | 467,875 | 4.6% |
| ◎ ブリュッセル(ベルギー) | 136,488 | 1.3% |
| ◎○ 東京(23区)(日本) | 7,969,611 | 6.3% |
| 新都市(日本) | 最大約600,000 | 0.5% |
出典:「Demographic Year Book 96」United Nations
1)◎は首都機能都市、○は文化の拠点的な都市と考えられる都市
2)都市規模は行政区域を単位としている(東京は23区)