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環境負荷に係る検討について

(参考)現状の大気汚染状況
現在の汚染状況が悪い地域ほど、新都市からの新たな汚染物質の排出があったときに高濃度になりやすい。大気汚染現況は既述の気象条件・地形以外に、各地域における都市化の状況等社会的諸条件により左右される。
ここでは、各地域における窒素酸化物(NOx)データ(「日平均値の98%値(注1)」)および光化学オキシダント(Ox)データ(「昼間の1時間値が0.12ppm以上の日数」)より各地域における大気汚染現況を調査する(注2)。
調査結果を下表に示す。また、大気汚染の現況データの集計結果を表4.15に測定地点を図4.7に示す。

表4.14大気汚染の現況
地域名 NOxの現況
(98%値が環境基準の閾値の下限である0.04ppmを超えている測定地点数)
Oxの現況
(注意報レベルである0.12ppmを超えた日数がある測定地点数)
北東地域(宮城県) 3ヶ所中0ヶ所 3ヶ所中0ヶ所
北東地域(福島県) 4ヶ所中0ヶ所 4ヶ所中0ヶ所
北東地域(栃木県) 3ヶ所中0ヶ所 7ヶ所中1ヶ所
北東地域(茨城県) 7ヶ所中0ヶ所 5ヶ所中4ヶ所
中央地域-東海地域(岐阜県) 3ヶ所中2ヶ所 3ヶ所中2ヶ所
中央地域-東海地域(愛知県) 14ヶ所中4ヶ所 12ヶ所中5ヶ所
中央地域-東海地域(静岡県) 16ヶ所中0ヶ所 17ヶ所中10ヶ所
中央地域-三重・畿央(三重県) 14ヶ所中2ヶ所 12ヶ所中10ヶ所
中央地域-三重・畿央(畿央地域) 2ヶ所中0ヶ所 2ヶ所中2ヶ所

(考察)
NOxについては、「岐阜県」「愛知県」が比較的高濃度の地域である。「岐阜県」の場合は、前項で検討したように放射性逆転層が発生しやすいことや、地形性逆転層ができやすいことなどの気象条件・地形に関わりがある可能性が高い。「愛知県」の場合は比較的大きな都市が近い事から地域におけるNOxの排出量自体が多いためである可能性が高い。Oxについては、「茨木県」「岐阜県」「愛知県」「静岡県」「三重県」「畿央地域」が比較的高濃度の地域である。これらの地域は前項で検討したOxの生成反応が進みやすい地域と概ね重なっている。また「岐阜県」「三重県」では注意報レベルの日数が10日以上見られる日もあり、脆弱性が特に高かった。「岐阜県」では地形の影響も考えられるが、「三重県」では大きな都市が近いことが要因として考えられる。

(注1) 一年間の測定を通じて得られた一日平均値のうち、低いほうから数えて98%目に当たる値。
(注2) データ出典:平成10年版 日本の大気汚染状況-平成9年度全国常時監視測定局における測定値とその概要/環境庁大気常時監視研究会

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